こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

既読はすぐつくのに、返信は3日後に、しかも一言だけ。

「今度どこか行こうか」と誘ってくるのは、いつも彼のほうなのに。

「好き」とは、まだ一度も言われたことがない。

将来の話になると、彼だけふっと黙る。

理由を聞いても、「別に、なんでもないよ」としか返ってこない。

そんな「大人の男性」の反応に心当たりありませんか?

冷たいわけじゃない。

興味がないわけでもなさそう。

ただ、静かで、分かりにくい。

17年ほどカウンセラーをやっていて、こういう「静かな彼」に対する女性側の戸惑いは、本当によく出てくるテーマなんですよね。

実際、「あぁ、その彼さんは大丈夫ですよ、ちゃんとあなたの方を向いていると思います」とお伝えできるケースもあれば、「う〜ん、ちょっと今の彼を放っておくとリスキーかなぁ」というケースもあるんですが。

そこで今日は、「大人の男性の恋愛心理」について、理論的な裏付けを含めて、できるだけ分かりやすく書いてみようと思います。

大人の男性は、なぜ”広く”恋愛しないのか

若い頃って、恋愛にたくさんのエネルギーを使いますよね。

気になる人がいたら会いに行くし、告白もするし、失敗しても、また次の恋に向かっていく。

でも、大人になるにつれて、そのエネルギーの使い方が変わっていく男性は多いです。

広く恋愛を探すというより、一人の人にじっくり向き合う。

できれば、特定の相手との関係をじっくり深めたいと思う。

これ、実は心理学の世界で説明がつく現象だったりします。

心理学には「社会情動的選択性理論」という、ちょっと難しい名前の考え方があるんですが、ざっくり言うと、

「人は”残りの時間”を意識し始めると、広く浅い関係より、狭く深い関係を選ぶようになる」

というものです。

これ、老後の話だけじゃなくて、就職や結婚、大きな失恋みたいな、人生の節目節目でも起きるらしいんですよね。

大人の男性が「一人にじっくり向き合う」ように見えるのは、恋愛が下手になったわけでも、情熱がなくなったわけでもない、という可能性。

むしろ、「限られた時間の中で、大切なものを選び取ろうとしている」のかもしれません。

もし今、あなたの前にいる彼が、確かに会う機会も少ないし、愛情を感じる言葉も少ないけど・・・他の女性に目移りする様子もなく、静かにあなたを見ているなら。

それは、彼なりの「選んでいる」というサインかもしれませんね。

言い方を変えれば、彼なりにあなたへ安心感を提示しているつもり、なのかもしれない。

実際、カウンセリングの中でこの話をすると、「そう考えたことなかったです」と、少しほっとした顔をされる方、結構いらっしゃるんですよ。

・・・とはいえね。

「だったら、なんで好きの一言くらい言ってくれないんでしょう」

というお気持ちも分からんでもないですよ。

なぜ、大人の男性は「好き」を軽々しく言わなくなるのか

大人の男性も、若い頃は割と気軽に「好き」って言えたと思うんです。

言葉の重みや責任感を、まだそんなに知らなかったから、という話もありますが。

ただ、大人になるにつれて、簡単に「好き」って言わなくなる男性、いますよね。

これ、冷めているから、と解釈するのはちょっと違うのかもしれませんよ。

恋愛にまつわる心理学の研究では、年齢を重ねるほど、恋愛関係における「見捨てられる不安」が落ち着いてくる、というデータがあります。

若いうちは、好きになった相手に対して「嫌われたくない」「離れたくない」という不安が強く出やすい。

だから、その不安を埋めるように、言葉で気持ちを確認し合おうとする。

一方で、大人になるにつれて、その不安が少しずつ和らいでいく。

すると、言葉で気持ちを埋める必要が減っていくんですよね。

「言わなくても、大丈夫だと思えるようになる」。

もちろん、これは「言わなくていい」という意味ではないんですけどね(^^;

ただ、大人の男性が言葉少なになるのは、気持ちが薄くなったからではなく、

「言葉に頼らなくても大丈夫、という安心感が育ってきているから」

という見方もできるんです。

そして、このペース感を好む男性も少なくない、というか。

「お互い大人なんだから、言葉だけじゃない、通じ合うものを感じあっていたいじゃない」

そう言わないけど、しかしそう思っている大人な男性もいる、という話。

逆に言えば、「ねぇねぇ、好きなの?どうなの?」と聞かれるほどに、昔に戻されている感覚を覚えちゃうなぁ・・・と思う男性もいるかもしれない、という話。

ときには、その「昔に引き戻されている感」が、男性の中の過去のハートブレイクを思い出させ、恋愛に対する危機感や怖れをぶり返させるケースもあるのでね。

悪気なんてないけど「寝た子を起こしちゃった」みたいな感じの話なんですが。

少なくとも心理学の視点から見ると、言葉にする回数より、態度の一貫性のほうを見ると、安心感を受け取れるかもしれません。

うーん、こう書いてても思いますけど、ちょっと不器用ですよね、大人の男性って。

・・・なるほど。

「でも、だったら、何を考えているかくらい、教えてくれてもいいのに」。

そう思いませんか?

大人の男性が「何を考えているか分からない」と言われる理由

「彼が何を考えているか分からない」

これ、本当によく聞くお悩みですよ。

ただ、彼に感情がないわけじゃないんですよね。

心理学の世界には「男性は感情を言葉にする回路が育ちにくい」という研究領域があるんですけどね。

男の子は、小さい頃から「泣くな」「我慢しろ」「一人で立て」というメッセージを、無意識のうちにたくさん受け取って育つことが多い。

だから、感情そのものはちゃんとあるのに、「それを言葉に変換する練習をあまりしてこなかった」という話があるわけです。

いわば、感情そのものはあるのに、それを外側に伝える器(言葉)を持っていない状態、というか。

だから、彼に「今何考えてるの?」と聞いても、「別に」とか「特に何も」としか返ってこないことがある。

これ、隠しているわけでも、興味がないわけでもなく、本人も、うまく言葉にできていないだけ、かもしれない。

実際、男性ご本人をカウンセリングしていても、

「言われてみれば、それをどう言葉にしたらいいか分からなかった」

と、ぽつりと話してくださることがありますよ。

ご本人にとっても、ちょっとした発見なんですよね、これ。

なので、彼の言葉の少なさを「何も感じていない証拠」と受け取ってしまう女性の皆さんが間違っているわけじゃないけれど、しかし、そのままだと、ちょっともったいないかもしれません。

言葉にできない何かを、彼なりに抱えている。

そう思って眺めてみると、見え方が変わってくるかもしれない。

・・・感情はあるのに、言葉にする回路がまだ育っていないだけ、というのは分かりました。

じゃあ、もし彼がある日ふっと、「俺じゃ、もうダメかもしれない」というようなことを言い出したら。

それは、いったい何なんでしょうね?

愛されているのに、離れたがる大人の男性もいる

ここまでは、言葉少なめだけど安定している男性の話をしてきました。

ただ、大人の男性の中には、愛されているはずなのに、なぜか離れたがる人もいます。

「俺なんかと一緒にいたら、君が不幸になる」

そんなふうに言って、距離を取ろうとする。

これ、実は「罪悪感」や「恥」という感情が、深く関わっていることがあります。

自分は愛される価値がない、そう感じてしまう心の仕組みですね。

正直、ここまでくると、彼が抱えている痛みのほうが近いかもしれません。

このテーマについては、罪悪感が強い男性の恋愛心理や、「俺が悪い」と言う男性心理で、もう少し詳しく書いています。

もし、あなたの彼が「俺が悪い」と言って距離を取ろうとするタイプなら、あわせて読んでみてください。

静かな彼と、離れたがる彼。

同じ「大人の男性」でも、内側で起きていることは、少しずつ違います。

そして・・・この違いは、たしかに第三者でないと見極めにくいかもしれませんね。

恋愛の渦中にいると、どっちなの?という疑いになってしまうことが多いかも。

まとめ|その静かさは、気持ちのなさではないのかもしれません

今日は、「大人の男性の恋愛心理」というテーマで書いてみました。

大人の男性の恋愛は、若い頃のように分かりやすくはないかもしれません。

でも、分かりにくさの奥に、彼なりの誠実さが静かに息づいていることも、多いんですよね。

こういった話を、彼をジャッジするために使うのではなく、あなたと彼の幸せや豊かさにつなげていただければ、と願っています。

もし、あなたの彼の態度が気になったら。

「冷めている」ではなく、「彼なりに大切にしてくれているのかもしれない」

そんな見方も、一つ持っておいてもらってもいいのかな、と思います。

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