彼が結婚を渋る理由|自由を失いたくない彼と、未来を決められない私
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「彼とは長く付き合っているんです」
「好きだとも言ってくれます」
「でも、結婚の話になると、どうも煮え切らなくて……」
こういうご相談、けっこういただきます。
以前にもこの手の記事を書いたんですが、今日はちょっと違った話を一つ。
彼のほうに聞いてみると、
「まだタイミングじゃない」
「結婚すると自由がなくなりそう」
「責任が増えるのが嫌だ」
「そもそも結婚する意味がよく分からない」
なんて話が出てくることもある。
すると彼女さん側としては、
「つまり、私とは結婚したくないってこと?」
「そこまで好きじゃないの?」
と考えたくなる。
・・・まぁ、そう思っちゃいますよね。
ただ、結婚を渋る理由って、愛情があるかないかだけでは説明しきれないこともあります。
今日はその中でも、僕がカウンセリングでちょっと気にしているところを書いてみます。
Index
これからの人生を「自分で選べる感じ」が残っているか
いきなりですが、
僕たちにとって、「自分のことを、自分である程度選べる」という感覚って、かなり大事なんですよね。
たとえば、
どこで働くか。
今日は何をするか。
誰と付き合うか。
これからどう生きたいか。
もちろん全部が思い通りになるわけじゃないですけど、
「自分で考えて、自分で選んで、自分の人生をある程度動かしている」
という感覚って、自分自身のメンタル面にもかなり影響がある部分です。
逆に、
「何をしても変わらない」
「自分ではどうにもできない」
「誰かが決めるまで、自分は動けない」
という状態が続くと、結構しんどいし、付き合っていく自信を失っちゃうんですよね。
心理的に見れば「無力さ」を感じている状態、に近いんですけども。
だから、今の関係も、どちらかが結婚の話を持ち出した途端、険悪になるとしたら、それもお互いにとっての「自分で人生を選べていない感じ」につながるんです。
そう、今日の「結婚しない人の心理」のキモは「無力感」なんです。
・・・え?何の話だよ。結婚の話じゃないのかよ、と思われたでしょうか。
もうちょっとお付き合いください(笑)。
結婚すると、「一人で決めていたこと」を二人で決めることになる
結婚すると、今までとは少し生活の仕組みが変わりますよね。
何時に帰るか。
休日をどう過ごすか。
お金をどう使うか。
どこに住むか。
仕事をどうするか。
場合によっては、子どものことも。
今までなら自分一人で決めていたことに、もう一人の事情や気持ちが入ってくる。
これを、「二人で相談しながら生きていける」と感じる人もいます。
一方で、
「今まで自分で決められていたことを、自分だけでは決められなくなる」
と感じる人もいるんです。
いいか悪いかは別にして、この違いは結構大きいと思っています。
「結婚すると自由がなくなる」の中身
だから、彼が、
「結婚すると自由がなくなりそう」
「責任が増えそう」
「今のままじゃダメなの?」
なんて言っているとき、
単純に「遊んでいたい」「責任を取りたくない」だけではなくて、
「結婚しても、自分の人生を自分で動かしていけるんだろうか」
という不安や、未来に対する見通しが全く立たない感じ、が混ざっているケースもあります。
結婚が嫌というより、その先の生活、要は自分の人生がよく見えない。
しかし、一度そこへ入ったら、もう自分では戻れないような気がする。
・・・ねぇ、古い言葉ですけど「結婚は棺桶に片足突っ込むようなもの」なんて比喩もありましたし。
ま、片足だけ突っ込んでフタされたら、怪我しますけども・・・。
もとい。
自分の時間も、仕事も、お金も、自分だけのものではなくなる。
そんなイメージを強く持っていたら、そりゃ慎重になる人もいるだろうな、と思うんですよ。
もちろん、本当に結婚する意思がない人もいます。
そこを全部「本当は愛しているけど怖いだけ」と解釈する必要はありませんし、見極めは必要でっせ。
そもそも結婚するかどうかは、そのご本人が決めることですからね。
ただ、「結婚を渋っている=私への愛情がない」の一択にしてしまうと、見えなくなるものもある、という話です。
ただ、この話は彼だけでは終わらない
で、今日の話のキモはここからなんです。
彼が、「結婚したら、自分の人生を自由に決められなくなるかもしれない」と感じて、立ち止まっている。
すると、しばらくして彼女さん側にも、別の意味で同じようなことが起きることがあります。
彼女さんは結婚したい。
この人と家庭を作りたい。
できれば数年後には、こういう生活をしていたい。
でも、彼が決めない。
すると今度は、彼女さんが、
「私の未来なのに、彼が決めてくれないと何も進まない」
という状態に入っていくんです。
いつ結婚するか分からない。
このまま待つのかも分からない。
別れて別の人を探すのかも決めきれない。
彼の返事次第で、自分の未来が決まるような感じになってくる。
・・・これ、かなりしんどいんですよね。
めっちゃ憂鬱な気分になるし、これからの彼との付き合い自体を考え直したくなるかもしれないですよ。
二人とも「自分の人生を相手に握られている」感じになる
ここが、なんとも皮肉なところなんですけど。
彼は、
「結婚すると、自分の人生を彼女に握られてしまう気がする」
と不安になる。
一方で彼女は、
「彼が結婚を決めてくれないから、自分の未来を決められない」
と不安になる。
なぜか二人とも、「相手のせいで自分の人生を自由に動かせない」という感覚を覚えていることがあるんです。
まぁ、このあたりが心の不思議な部分でもあり。
理由としては、お互いに見えない影響を受け合っているから、と考えることもできなくもない。
彼は自由を守ろうとして止まる。
彼女は未来を取り戻そうとして答えを求める。
すると彼は、さらに「決めさせられている感じ」が強くなる。
彼がさらに止まると、彼女はもっと「私の人生どうしてくれるの?」となる。
・・・これ、二人ともつらいんですよね。
どちらか一方が悪い、という話にすると、この部分が見えなくなります。
「結婚するの?しないの?」だけでは話が進まないこともある
だから、彼が結婚を渋っているとき、
「結婚する気あるの?ないの?」
と確認すること自体は必要です。
こちらにも人生がありますからね。
ただ、それだけでは同じ会話を何度も繰り返すこともある。
そんなとき僕なら、少し違う話もしてみては、と思います。
「結婚したら、何が一番変わる感じがする?」
「何が自分で決められなくなる気がする?」
「逆に、結婚しても大切にしたい自分の時間や生き方って何?」
こういう話です。
要は、
「結婚するか、しないか」の前に、「この人は結婚によって何を失うと思っているんだろう?」を見る。
すると、単に煮え切らないように見えていた彼が、実は何を怖がっているのかが少し見える場合があります。
そして彼女さん側も、自分の未来を彼だけに預けない
ただし。
ここ、ものすごく大事です。
彼の気持ちが分かったからといって、ずっと待ち続けましょう、という話ではありません。
むしろ逆です。
彼が「自分の人生を自分で選びたい」と思っているなら、
彼女さんにも、自分の人生を自分で選ぶ権利がある。
いつまでなら待てるのか。
自分は本当に結婚したいのか。
今の関係で大切にされていると感じるのか。
彼が今後も決めないとしたら、自分はどうするのか。
このあたりは、彼の答えとは別に、自分で考えていいところなんですよ。
彼が決めないから、私も決められない。
という状態が長く続くと、彼女さん側にも「自分ではどうにもできない」という感覚が強くなってしまいます。
なので、彼を急かさないことと、自分の人生を保留にすることは、同じではないんです。
二人で生きることは、自分の人生を捨てることではない
結婚って、確かに一人だけでは決められないことが増えると思います。
ただ、だからといって、自分の人生を相手に差し出すことでもない。
相手の人生をこちらが決めることでもない。
たぶん、
「これは二人で決める」
「ここはあなたが決める」
「ここは私が決める」
そんな領域を少しずつ作っていくのが、誰かと一緒に生きることなんだと思います。
だから、彼が結婚を渋っているとき、
「私のことを愛しているの?」
だけではなく、
「この人は、結婚すると自分の何を失う気がしているんだろう?」
と見てみる。
そして同時に、
「私は今、彼の答えが出るまで、自分の人生を動かせない状態になっていないだろうか?」
と自分にも問いかけてみる。
結婚するかどうかという答えそのものより、そこに二人の関係のあり方が結構出てくるんですよね。
最後に|誰かと生きながら、自分の人生も生きられるか
彼が結婚を渋っている。
そのときに起きていることは、必ずしも、
「彼が私を愛しているか、いないか」
だけではありません。
もしかすると二人とも、形は違っても、
「誰かと一緒にいながら、自分の人生もちゃんと自分で選べるんだろうか」
というところで揺れているのかもしれません。
彼は、結婚することで自分を失うのが怖い。
彼女さんは、彼が決めてくれないことで、自分の未来を失うのが怖い。
もしそうなら、必要なのは、どちらかが相手の人生を動かすことではないんでしょうね。
お互いが、自分の人生を自分の手元に戻した上で、
「じゃあ、二人ではどうしたい?」
と話せるかどうか。
僕は、そこが結構ポイントなんじゃないかな、と思います。
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