こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

夫婦関係が行き詰まっている。

そういったご相談の中でよく出てくる言葉があります。

「どうせ変わらない」
「言っても無駄」
「もう諦めた」

でも、その前にもう一つ、もっと根っこにある信念があって。

「助けてもらうことを期待してはいけない」

これを、けっこう多くの人が持っているんですよね。


「期待してはいけない」と思う理由は、だいたい二つあって。

「助けてもらうことを期待してはいけない」。

文字にするとなかなかヘビーな感じですが、日常の中で普通に観念として持っている人も少なくないようですよ。

じゃ、どうしてそう思うのかって話なんですけどね。

一つは、「期待すると失望する」という経験から来ているケース。

助けを求めたのに、来なかった。頼ったのに、裏切られた。

だから、最初から期待しなければ、傷つかなくて済む。

めちゃくちゃ分かりやすいケースですね。

もう一つは、「助けを期待すると強くなれない」という思い込みから来ているケース。

自立的な人に多いんですが、

なんでも自分でやれるようにならないといけない。

人に頼るのは弱さだ。

だから助けを求めることを、自分に許していない。

なので、パートナーをアテにしないわけです。

アテにしないパートナーはどんどん無力感を感じ、助けを求められないこちらも無力感を感じるという罠。

もちろん、どちらもそう思うに至った事情があるわけで、だから責められないんですけどね。

なかなか切ない話です。


助けを求めない夫婦に起きること。

「助けてもらうことを期待してはいけない」と思っている人が夫婦になると、やっぱりお互いに助けを求めない関係になっていくんですよね。

妻は「どうせ言っても無駄」と思って言わない。

夫も「どうせ俺には無理だ」と思って動かない。

お互い、相手を責めているようで、実は自分自身に対しても無力感を持っていることが多い。

愛情がなくなったわけじゃない。

一緒にいる意味を考えないわけでもない。

ただ、「助けてもらっていい」という感覚が、どこかで消えてしまっている感じがなんとも苦しいわけですよ。


心理的に見ると、もう少し面白い話があって。

「あの人は何もできない」と相手に感じるとき、

実は自分の中にある無力感を相手に映し出していることがあるんですよね。

難しい言葉を使えば「投影」という話になるんですが、要は

「この人は何もしてくれない」と思っているとき、「自分も何もできない」という感覚が裏にあることが多い

ということです。

夫婦どちらも、実は同じような無力感の中にいる。そんなことが、けっこうあります。

しかし、この無力感は「自分が感じている」とはなかなか認識しがたい。

一人でいれば感じない、と思う人も少なくないから。

よって、この無力感はパートナーからもたらされた、と思う人が多いんです。

ただ、この考え方はある罠を引き起こすんですね。

あなたに「この人といると無力感を感じる」と思われているパートナーは、

次第に「あなたに無力感を感じさせる振る舞いをするようになる」。

これ、専門的には投影性同一視的な考え方になるんですが、実際にそんなケースもけっこうあります。

簡単な例で言えば、

パートナーに対して「あぁ、この人といてもしんどいだけ」と思いこんでいると、パートナーが浮気して無力感バリバリ感じる状況になった、みたいな。

話を聞くと、いつも当てにされないから浮気した、という人も少なくない。

まぁ小難しいことは抜きにして、言葉にしていない気持ちの影響で夫婦の絆が切れそうになることもけっこうあるんです。

それぐらい夫婦関係って影響を与え合う関係だってことでもあるんですが。


「言わなくても分かって」が、実は一番の曲者。

話を戻しましょう。

夫婦の中で「助けが来ない」という信念が強くなると、助けを求める前から「どうせ無駄だ」と思ってしまうんですよ。

だから求めない。

求めないから、相手も気づかない。気づかないから、やっぱり助けは来ない。

この繰り返しで、夫婦の間に壁ができていく。

いつしか「助けてもらえる」という感覚が消えてしまっている。

実は、助けは来るんですよね。

「助けてほしい」と言えたとき、相手が動くことはけっこうある。

風邪で高熱を出したら、食卓に栄養ゼリーが大量においてあった、とか。

薬を買ってきてくれてた、とか。

家事を全て担ってくれた、とか。

ただ、「どうせ言っても無駄」という信念が先に立つから、言えない。

言えないから、来ない。

来ないから、「言わなくても分かって」が強くなる。

ここが曲者なんですよ。

「言わなくても分かって」は、言わないけれど、期待の気持ちですからね・・・。

最初の一歩が、「助けを求めていいんだ」という感覚を取り戻すことだったりします。

最後に

夫婦関係がうまくいかない。

一緒にいてもしんどい。

もし、今そう感じていたならば。

「助けを期待してはいけない」という信念、一度疑ってみてもいいかもしれないですね。

これ、夫婦の話ですけど、実は恋愛でも、親子関係でも、同じことが起きていますよね。

思い当たること、ありますかね?


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