こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、長いあいだ僕が考え続けてきたことを、一つの考え方としてまとめてみます。

「恋愛や夫婦関係が、続く人と、続かない人。その違いって、何なんだろう」という話です。

先に、ひとつだけ断っておきますね。

恋愛が続くかどうか、結婚に発展するかどうかって、ぶっちゃけ、相手選びの段階や、お互いの付き合う動機で、もう決まっている部分もあるんです。

それは無視できないことです。

ただ、今日のコラムは、そういう話ではないんですよ。

本来、お互いに関係を続けるつもりでいたはずなのに、なぜか別れになってしまう。

しかも、ご相談いただく方の実感として、「なんだか、同じことを繰り返している気がする」という場合。

そこで、何が起きているのか。今日は、その話に触れてみます。

最初の印象が良かった。そのギャップで苦しむ人がいる

恋愛が続かない、という悩みに対して、

「自己肯定感を上げましょう」「自信をつけましょう」「自分を磨きましょう」

という回答がなされることって少なくないと思います。

これ、たしかに正しいと僕も思うんですよ。

ただ、長年カウンセリングしていて、ずっと引っかかっていることがあって。

「最初の印象が良かった」とか「恋愛中は自然に関係を続けていたけど、結婚したら・・・」

といった、ギャップで苦しむ人がいるという事実です。

もし、自分の魅力や自信を引き上げるだけで問題が解決するなら、なぜこんなお悩みが登場するのか、と思うわけです。

たとえば、話も面白いし、気遣いもできるし、優しいし、異性から好かれてもぜんぜんおかしくないような方。

お話を聞いていて「あなたのことを好きになる人の気持ちが何となく分かる気がする〜」みたいに思える方。

実際、モテる人だっています。

なのに、「今度こそ」と思っても、なぜか続かない。

気づけば、また同じところで終わっている。

・・・それはなぜだ?と。

このお悩みに対して「もっと自分を磨きましょう」って、なんか違いません?

妙な喩えですけど、美白を超えて漂白みたいなイメージになってしまいかねない。

だとしたら、続かない理由は、魅力の量とは別のところにあるんじゃね?と思うわけでございます。

じゃあ、それは何なのか。

僕なりに見えてきたことを、今日は書いてみます。

ちなみに、これは愛することをサボってる人の話ではありません。

むしろ、逆です。

愛することをサボっている事実があるなら、それが理由かもね、と特定しやすい。

相手のことをよく考えて、返信も練って、会う日も大事にして、ちゃんと頑張ってる。

なのに、続かない。

実はその裏側に、けっこうな確率で潜んでいる何か、はたしかにあるんですよ。

不安になると、人は「つながりたく」なる

ここで、心理学の定説をひとつ。

人は、不安が強くなると、誰かとつながりたい気持ちが強くなる、なんて言われています。

専門的には親和欲求なんて言葉を使いますね。

これが強くなる、という話。

心細いとき、誰かにそばにいてほしくなる。ひとりだと不安だから、つながりを求める。

ごく自然な気持ちですよね。

恋愛も結婚も、長く続く人生の一部でもある。

そして、あまり語られていないことですが、恋愛も結婚もそれなりにストレスを感じるライフイベント。

今が幸せだから心に負荷がかからない、というわけではない。

これはまぁ心の世界では有名な話でもあります。

だから、恋愛も結婚も、大きな人生の決断も・・・

そして、誰かと共に生きることで生じる、別れの可能性も出てくる。

そもそも不安になりやすい状況ではあるんです。

相手の気持ちが見えない。確証がない。

いつ終わるか分からない。

だから、好きになればなるほど、不安も大きくなって、つながりたい気持ちも強くなる。

・・・ここまでは、当たり前のことなんです。

問題は、この「つながりたい」が強く出すぎたときに、あることが起きる、という点です。

「好きになりたい」が、「不安を消したい」にすり替わる

実は、恋愛や夫婦関係の中で何らかの理由で不安が強くなると・・・

いつのまにか、目的が入れ替わることがあるんですよ。

「この人といい関係になりたい」が、「この不安を、消したい」という形に。

本人は、相手を想って頑張ってるつもりなんです。

そのお気持ちは真実です。

それはたくさんお話を伺ってきて痛感している点です。

ただ、心の奥で実際に行動の原動力となっているものは、

「早く安心したい」「この不安をなんとかしたい」のほうだったりする。

しかもその不安が切実なものだったりすると、不安に対処する緊急性が高まるのです、自分の中で。

だから、必死になる。

もちろん必死になることが悪いわけではないのです。

・・・が、言い方はアレですが「どんな手段を使っても不安を解消したい」というモードになりやすい。

なので、手段が荒れるんです(^^;

気持ちは愛やつながりを求める気持ちなんです。

でも、手段、つまり行動や言動が荒れる。

たとえば、

「相手の気持ちを言ってもらえないと不安だから、言わせたい」と思う。

だから、私のことなんてどうでもいいんでしょ?的な厳冬が増えてしまう人もいる。

逆に、黙ってどんな辛いことも受け止めようとしすぎて苦しくなっている人もいる。

会いたいのも、相手と過ごしたいからじゃなくて、「会えないと不安だから、その不安を消したい」だったりする。

……こうなると、もう、気持ちや思いは愛なんだけど、それがそのままのホワ〜ンとした形でアウトプットできなくなってしまうんですね。

そんな悠長なこと、言ってられっか!的モードになる、といいますか。

その頑張りが、相手には「必死さ」で届く

やっかいなのは、エンジンが「不安」になっていると、その頑張りが、相手には少し違って届く、ということ。

愛情や好意として届く前に、なんというか、必死さの圧みたいなものが、先に伝わってしまうんですよ。

相手からすると、「そこまで必死にならなくても……」となる。

ひどいときには、こうも思わせてしまう。

「俺と(私と)一緒にいて、そんなに必死にならなきゃいけないなら、一緒にいるの、しんどいだけなんじゃないの?」と。

・・・これはもう言われたくないっすよね。

「なんでそんなこと言うの?」「もう信じられない」みたいな気分になりますよね・・・。

……切ないんですよ、これ。

なんで突き放すの、と。

愛されたくて、つながりたくて、あんなに頑張ったのに。

その頑張りが、相手には「この人は、私といて辛そうだ」というメッセージに翻訳されて届く。

自分の気持ちと、まるで逆の意味になって相手に届いてしまう。

そして、こちらはこちらで思うわけです。

「ここまでしてるのに、なんで・・・」。

相手は相手で、「一生懸命なのは分かるけど、なんか、受け止めきれない」と、うっすら深刻さを感じている。

どこにも悪意なんてないのに、温度差だけがじわじわ広がっていく。

・・・この構図、僕はこれまでに何度見てきたことでしょう。

これ、あなたが弱いとか、そういう話じゃないんです

不安から、つながりを強く求めてしまう。

それはまぁ不安があればそうなる、って話です。

ここをいい悪いて語ると話がややこしくなりすぎます。

むしろ、それだけ真剣に向き合ってる、と解釈することもできるわけで、頑張っている方のお気持ちを考えると「不安に煽られすぎ」とは言いたくないし、そうも見ていません。

そもそもこの手の不安の話は「恋愛や夫婦関係で不安を強く感じる人」だけの話じゃないんですよ。

今までは自分のことも仕事のこともバリバリ頑張れていた、という人でも、何か未来への不安がふっと大きくなると・・・

たとえば、体調を崩したとか、仕事やお金のことで先が見えなくなったとか、なんだか前より自分に自信が持てなくなったとか。

そういった状況になると、いつのまにか「不安を消す行動」が増えるなんてこともありますよ

これは、ある意味「条件」がそろえば、誰にでも起こることなんです。

・・・正直に言うと、僕自身もそうですよ。同じ人間ですから。

仕事、家族のことなど、いろんな事情で不安が強くなると、途端に人恋しくなるタイプでして。

あぁ、今ちょっと誰かにつながりたくなってるな、これは不安が来てるサインやな、って、自分でしょっちゅう思いますもん。

ただ、僕はそこまで自分で問題視していないんですよ(笑)

知ってますから、親和欲求の話を。

なので、そりゃしゃーないな、と思うし、考えるのは不安への対処法と対策なんです。人を求める方向より先にね。

じゃあ、どうすれば。の、手前まで

この状態のいちばん厄介なところは、頑張っても、自分を磨いても、恋愛だけ、なぜかうまくつながれない、が起きること。

あなたらしい魅力や、あなたらしい愛し方が、本来の力を出せなくなるんですよね。

行動動機が「不安」だと、どうしても、そっちに引っぱられるので。

じゃあ、どうすればいいのか。

……ここで「不安をなくしましょう」と言えたら簡単なんですけど、そこを精神論で語るつもりはないです(^^;

ひとつだけ、ヒントらしきものを置くとすれば、こういうことです。

不安って、よく見ると、「まだ起きていないこと」への怖れなんですよね。

未来への、怖れ。

今この瞬間に、現実に何か起きてるわけじゃない。

しかし、確実に自分の心は「これから、こうなったらどうしよう」を、先に感じてる。

ということは、いま自分が、いったい何を怖がっているのか。

そこに、そっと目を向けてみることが、たぶん、入り口になります。

嫌われるのが怖いのか。

ひとりになるのが怖いのか。

「やっぱり私なんて」を、また確認させられるのが怖いのか。

……人によって、その中身は、まるで違います。

そして、考えても分からないことも多々あるでしょう。

そもそも不安にはフタをしたいものだから、不安にならないようにしているはずなので。

しかし、そのフタが恋愛や夫婦関係など近しい人との関係では、上手く機能しないから困る、って話なんだと思います。

なので、不安への対処法も大切。

同時に、その不安が出てくる理由みたいなものを見つめて、チョチョイと手当するという方法もあります。(ここはカウンセリングや1Dayセミナーでよく扱わせてもらう部分です。)

僕がよく見かけるのは、心のちょっと深いところで「安心感が得られないかも」という不安を抱えて頑張っておられる方ほど、このパターンに陥りやすいかな、という感じなんですよね。

でも、これが、なかなか自分では気づけないんですよ。

自分が本当に求めているものが、安心感なのか、未来の安定なのか、それとも「この先ひとりじゃない」という事実なのか。

考えても、うまく線引きできないものかもしれない。

正直に言えば、僕も、実際に何度かお話を伺わないと、その深いところが見えてこないこともありますし。

ただ、じっくりお話を伺って、心理的に整理していくと、その線が見えてくることは、たしかにあるんです。

だから、ただ「不安を解放しましょう」「過去を癒しましょう」という話だけじゃなくて、その不安が、どこから出てきているのかを見て、それに合ったやり方で向き合っていく。

そうやって、実際にご結婚まで至られた方も、いらっしゃいます。(よかったら、お客様のご感想を見てみてください。)

同じパターンを、繰り返さない方向に、取り組んでいける方法、ありそうですよね。

まずは、「あれ、私、いま”いい関係になりたい”じゃなくて、”不安を消したい”で動いてないかな?」。

ふと、それに気づけるようになるだけで、けっこう大きな一歩なんです。

気づけていないときほどちょっとしんどいかもしれないですね。

今日はここまでにしておきます。

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