友達には、ちゃんと愛してくれる人がいる。

SNSを開けば、大切にされている人ばかり。

記念日を祝ってもらって、旅行に連れて行ってもらって、当たり前みたいに隣にいてもらって。

……それに比べて、私は。

この年になって、まだ一人で。

別に、贅沢を言ってるわけじゃない。

ただ、あの人たちみたいに、心から愛されたいだけなのに。

なんで、私は。

……という女性がいる一方で、その隣にはこんな男性からのお声をうかがうこともあります。

彼女は、たぶん、僕を見ていない。

いや、見てはいるんだけど。

なんていうか、僕を通り越して、どこか別のところを見てる感じがする。

僕、ここにいるんだけどな。

ちゃんと、君を見てるんだけどな。

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は「深読みさん」に向けたコラムを一つ。

「あの人みたいに愛されたい」と願う女性と、「彼女は僕を見ていない」と感じる男性。

もちろんこの構図が逆になっている場合もありますけどね。

今日は、ちょっとだけ「うぬぬ・・・」と思える話かもしれませんが、最後まで読むと自分のあり方に気付けると思うので、よかったらお付き合いください。

「心から愛されたい」という気持ちが、まるで海水のようになるとき

「心から愛されたい」

この願いに罪なんてあるわけないですよね。ごく自然な願い。

誰しも一度は「あー愛されてぇ・・・」と思ったことがあるんじゃないか、と。

ただ、この「愛されたい」が、いつのまにか、

「あの人みたいに、愛されたい(成功したい)」

に、すり替わっていることがあるんですよ。

こうなると話が変わってくる、って分かりますかね?

「あの人みたいに」がくっついた瞬間、その願いは、喉の渇きを潤す水に見えて、実は海水になる。

そんなイメージなんですよねぇ。

海水って、飲むとどうなると思います?

……喉の渇きが増すんですよ。

塩分で余計に喉が渇く。

だから、また飲む。

また渇く。

また飲む・・・いや、もはや飲めない、って感じでしょうが。

「あの人みたいに愛されたい」も、これと同じような性質があります。

そう思えば思うほど、心が渇いていく。

なぜかというと、「あの人みたいに」の対象になりえる人は、無限に存在するからです。

一人クリアしても、また次の「あの人」が現れる。

友達、SNSで輝く人、昔の同級生、たまたま見かけた誰か。

一生、終わらないんですよ、この比較。

……って、この話を海水に喩えている僕も、なかなかどうかと思いますけどね。

パートナーは意外と見ていないわけじゃない

男性からも女性からも、けっこううかがう話。

それが「相手はこちらを見ていない」。

ただ、実際に話をうかがうと「見ていないわけでもない」とは思うんですよ。

意外とちゃんと見てるんです。

心の渇きを感じながら、ですね。

たとえば・・・

「あの人に比べて」だったり。

「この年齢で」だったり。

「こんな私が」だったり。

そんな前提で相手を見ている。

でも、相手はそんなこと気にしちゃいないよ、だから一緒にいるんだよ、と思っているとしたら。

そりゃ、相手からすれば「見ていない」と思うでしょうよ、という話。

目の前の誰かを通り越して、自分の心の奥にある「何か」をいつも見ているあなたを、寂しそうに見ている相手がいる。

まぁそんな話なわけです。

その「もう一つ」の正体

じゃあ、その「もう一つ」って、何なのか。

ここにはっきり名前をつけると重くなりすぎるので、そぉ〜っと置いておきますけど。

ざっくり言うと、

「自分には、愛される価値がない気がする」

という、あの感じがあるんでしょうね。

別名「引け目」と言ってもいい。

そして、心が渇く感じとは、この引け目を「歴然たる事実」だと認識しているときなんですよね。

だから、それを覆すために「いい人」「気が利くやつ」「魅力的な私」になろうと意識する。

でも、よく見てください。

年齢が上だから、愛される価値がない?

あの人より愛されていないから、価値がない?

……それ、証明になってますでしょうか?という話が残るわけですね。

もちろん実感レベルの「愛される価値がないかも」という気持ち、僕も知らないわけではないです。

カウンセリングやセミナーでその気持ちを無視することはないですよ。

むしろ「そうですよねぇ〜」と僕もその世界に一度飛び込む感じが多いものです。

ただ、「あなたはあなた」という事実と「価値がない」という事実がつながってると、ちょっとマズいわけですね。

少なくとも僕がクライエントさまの世界を訪問するとき、その事実をつなげて飛び込むとしたら、そりゃ大変なことになります。

「あなたは価値がないと思っているからダメなんだ」

「何故自分を磨かないんだ」

僕からの提案がそんな形になってしまうからですね。

・・・そんなこと話して問題が解決するなら、17年間頭を捻って考えてないって、という話。

たしかにあなたは、どこかの誰かのように愛されている感じがしないのだと思います。

ただ、それは「その人と違う」だけであって、「価値がない」という証明にはならない。

そう分かっていても、つい「心の渇きを強化するようなことを思う」としたら、それは何故?という部分がキモなんですよね。

なのに、証明のように感じてしまうのは

私は私でいいと思う。

そう理解してる。

でも、他人を見るとどこかで「価値がない証明」のように感じてしまう。

もしそうだとしたら、これ、あなた一人が作った思い込みじゃないと思うんですよ。

もっと、空気みたいなもの。

場合によっては、都市伝説的なもの、というか・・・。

「この年までに、こうであるべき」

「愛されている人が、価値がある」

そういう、みんながみんな同意していないけど、しかしなんとなく共有している価値観や物差しを、いつのまにか自分の価値観として飲み込んでしまっている、というか。

だから、今感じている引け目や、心の渇きは、もしかしたら、あなた自身のものですらないのかもしれない。

そんな事を考えるときも正直あります。

僕たちは社会性を持つ生き物だから、なんとなく漠然と「みんながそう思う」という根拠で自分を推し量ってることはザラにありますのでね。

ただねぇ。

相手が社会が持つ価値観なら、そりゃ一人で戦ってもあまり勝ち目がないというか、押し返せないんですよね。

「みんなそういうじゃないですか」

「世間様はそういった目で見るじゃないですか」

そう思っちゃうと思うんですよ。

よほど自分の立ち位置が明確じゃない限り、流されちゃいますよね。

そりゃしゃーない。

とはいえ、そこで海水を飲んで、心がさらに渇く、なんてこともしなくていいわけで。

海水を、海水だと気づけたなら

「あの人みたいに愛されたい」という海水を飲み続ける限り。

あなたを測る物差しは、何も変わらないんですよ。

ずっと、誰かと比べ続ける。

そして、その「覆せない」という苦しさを、燃料にして走り続けることになる。

あなたが本当に欲しかったのは、

「もう、比べなくて済むこと(≒愛されたい)」だったはずなのに。

「あの人みたいに」という意識の冠は、そのまったく逆へ、あなたを連れていくようですよ。

この話は、ネガティヴな意味合いでの比較の心理と、それがもたらすマイナスなセルフイメージの話でもあるんですよね。

最後に

最後になりますけど・・・

今日、あなたがこの記事を開いた。

それ、なぜだと思います?

タイトルに、何か引っかかったんでしょうか?

それとも、なんとなく読んでみたくなったんでしょうか?

どちらにしても、何か気になってご覧いただいているなら。

もしかすると、あなたはもうどこかで気づいているのかもしれません。

「自分が飲んでいたものが、水じゃなくて、海水だった」ってことに。

飲んでも飲んでも渇く、この感じの正体に、うすうす気づいていた。

だから、この記事に偶然でも、なんとなくでも手が伸びた。

……それって、価値のあることだと思うんですよ。

海水のように心が渇き続けるものを、気づかないまま飲み続けるのが、自分が削られていく道なので。

あなたはもう、そこから外れようとしているのかもしれません。

まずは、そんなご自身をぜひ歓迎してあげてください。

「そうか・・・もうこれ、やめようと思ってんだ、私」って。

それがより良い明日への第一歩になりますから。

ちなみに、この続きの話も、あるにはあるんですけど。

……まぁ、それは、カウンセリングや1Dayセミナーで。

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「はぁ、またこの人も?また私が受け止める係ですか・・・」

「どこにいるの?私を受け止めてくれる人って・・・!」 という話なんですけどね。

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