自分の強み・長所がよくわからないと悩んだときの処方箋

「自分の長所がよくわからない」というご相談はとても多いものです。

人からは褒められるけど、自分ではそうは思えない。

自分の良さってさっぱりわからない。

そんなお話を伺うことも稀ではありません。

内閣府による「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」 (平成30年度、13歳~29歳の男女1,000人を対象)によると、「自分には長所があると感じている」という問いに、「そう思わない」と回答した日本の若者は全体の37.7%だった、という結果もあります。

いわば4割弱の若者が「長所がわからない」と思っているようなのです。

そう考えると「長所や強みがわからない」と感じること自体、そこまで特別な悩みではない、とも言えそうですが、しかし、自分の強みや長所がわからないと不安を抱えやすくなりますよね。

カウンセリングの中でも「私に自信があれば(自己肯定感を感じられれば)と思うんだけど、なかなかそれを実感することが難しい」なんてお話も伺います。

そこで、今日は自分の強み・長所がどうして感じられないのかの理由から、自分の癒やし方について、サクッとまとめてみようと思います。

自分の強み・長所が分からなくなる理由は罪悪感にある

さて、まず自分の強みや長所が分からなくなる理由について簡単にとまとめてみます。

自分の強み・長所がわからなくなる理由は、罪悪感が強まっていたり、自罰的な思い、感覚が強くなっているからです。

自分の強み、良さがないからではないんですよ。

そもそも自分の強み・長所というのは人に決められるようなものではなく、自分で自覚するようなものなんです。

いわば「客観的に見てどうか」ではなく「自分がどう感じているか」次第だということ。

だから、自分の強みや良さを「これだ!」と大切にできればいいのです。

が、どこか自分を責めがち、自罰的な感覚が強い人ほど、自分を認めるどころか否定的に見つめている時間が長いんですね。

すると、自分なりの良さ、強みがあったとしてもそれを認めようとはしないんです。むしろ「強みや良さがあるのに、これぐらいしか頑張れない自分は」と責める理由に使ってしまう人が多いんです。

いわば自分で自分の長所や良さを潰してしまっているような状態だ、と言えるかもしれません。

このようなお話をすると「えーそうなんでしょうか」というお声を伺うことも少なくないんですよ。

「実は自分の長所や強みがわからないのは自分に問題があって、ダメなところがたくさんあるからではないのですか?」というご質問はかなりの数、飛んできますよ。

もし同じように思う方がいらっしゃったら、ぜひ次の質問について考えてみてほしいのです。

例えば「とても依存的で何でもかんでも人にお願いしないと何もできない人」がいるとしましょう。

人に甘えていないと不安だし、今までの誰かがいないと生きていけないと思いこんでいたので、彼や友達に依存的な態度を取りながら今まで生きてきた人がいるとしましょうよ。

もちろん誰かがいないとダメだと思っているからこそ、いつも不安で自信を感じられず、自分の長所や強みなんてないと思いこんでいるわけです。

確かにこの人が「自分の強み・良さが分からない」と思えば、それを実感できなくなるでしょう。

しかしこの事実をよーく見てみると、こうも言えないでしょうか・

「人にお願いし、頼りまくって今まで生きてこられたという強み」がある、と。

「普通の人は遠慮してしまうこともお願いできてしまうような長所がある」と。

えーそれって長所なの?と思われるかもしれませんが(^^;、しかし極端に考えてみれば「依存できることも長所・強み」だと言えるわけですよね。

しかし、多くの方は「依存的な人ってあかん人、ダメな人、生きる力が弱い人」といった観念で物事を見ていることが少なくないようで、だから「依存できること」が強み・長所ってありえねーと否定的に見てしまうのかもしれません。

ここで何が言いたいかといいますと、まぁこのように何でもかんでも否定的に見てしまうと強みや長所が見えなくなるよ、ということなんです。

自分のことを否定的に見ること自体は、自分の課題、問題点の発見のために必要なことなんですけど、度が過ぎる否定感、自罰感、自責感があると、なかなか自分の強みや良さを見つけることは難しくなるかもしれませんよ。(もちろん何でもかんでも肯定的に見ることもリスクがありますけどね)

自分の強み・良さが分からなくなるもう一つの理由

さて、そもそも自分の強みや長所が分からないとおっしゃる方は、「自分のこともよく分からない」とおっしゃいます。

実は「自分のことがよく分からない」という状態にいるだけで、自罰感、自責感などが強まってしまうんですよ。

かつ、この「自分のことがよく分からない」という状態が示すものは、「自分のホントの気持ち(愛情も欲求も含めて)を表現できずにいる」ということでもあるのです。

自分のことがよく分からない人が、自分の本当の気持ち、求めるもの、なりたい自分を明確に目的設定できるでしょうか。

「あれが欲しい」「こうなりたい」「あんなことがしてみたい」「私は今、こんな気持ちなんだ」といった表現がすんなりできるでしょうか。

もちろんできないことがダメということではないのですが、自分の強みや良さがわからない人というのは、常に「自分の欲求が満たされていない」「自己表現がうまくできずにいる」といった状態にあることが多いんです。

だから、自分の強みや良さが分からないとおっしゃる方ほど、「欲しいものはなんですか?」という質問に答えるのが超苦手な人が少なくないようです。

また、どこかで「自分の良さや強みがあれば、きっと自分も幸せになれるはずなのに」といった期待ばかりされている方も少なくないのかもしれません。

いつも我慢や自分を責めてばかりいないかチェックしよう

もし、自分の強みや長所が分からない、と思われる方がいるとしたら、

「自分はいつも自分を責めていないだろうか」
「自分の欲求を我慢ばかりしていないだろうか」
「自分の気持ちを表現せず、いつも押し殺していないだろうか」

といったことについて、一度考えてみていただくといいかもしれませんね。

そして、もしかすると自分はそんな傾向が強いのかもしれない、と思われたなら、どうしてそんなふうに自分を接しているのかに興味を持ちながら、気持ちの整理、考え方の整理に取り組んでいただくといいと思いますよ。

特に、いつも我慢ばかりする人、自分を責めてしまう人の深層心理には、「いつも我慢し、自分を責めることの目的」が隠れていることが少なくありません。

自分を責めることで人から責められることを避けている、という場合もあれば、いつも自分の気持ちを責めるように我慢して苦しい状態でいつづけることで、自分にとっての親しい人(親や家族、自分を認めなかった人)への無意識的な反抗を続けている場合もあります。

また、あまりに強い挫折を経験していたり、コンプレックスが理由で自分に失望し、自分嫌いが行き過ぎてしまっている場合もありますね。

このように、自分の強み・長所を認めないこと、価値を感じないようにすることにも、何かしらの事情があるわけでして、何の理由もなく認めないってことはあまりないんですよね。

そのあたりの事情を深く見つめて解放していくと、次第に「自分の強み・良さ」を実感し、受け容れることができやすくなることもありますよ。

自分の強み・長所の受け止め方

さて、ここからはもう少し踏み込んで「自分の強みや長所を受け止め方」について考えてみます。

※ここからのプロセスはできれば「自分を責める気持ち」「我慢ばかりしてしまう気持ち」をある程度解放しておいてから取り組んでいただければ、と思います。

あなたにどんな事情があるにせよ、あなたにできることがあるなら、そこをしっかり認めて承認していきましょう。

例えば、あなたが人に優しくできるなら、まず「自分はすんげぇ優しい!」と胸を張りましょう。

そして、それを心から与えていく意識を持つことがおすすめです。

人はよく「この程度のことで」と思うものですが、そう思うことが後々大きな問題になるのですよ。

そもそも、今まで生きてきた自分をガラッと変えることなんてことは相当時間がかかります。

なので、自分が磨いてきたものを使って幸せになったほうが手っ取り早いと思いませんか?

世の中には、たくましい人、面白い人、エレガントな人、意思の強い人、行動力がある人、いろんな人がいる。そしてあなたは人に気遣いができて優しい人なら、それでいいじゃないか、ってことです。

自分にないものを探すより、あるもの、今できることを認めていけばいいんです。

この積み重ねが後々ものを言ってきますよ。何もしないでいるのと、コツコツ認めていくのでは、例えば今から半年後、1年後に明確な差が浮き彫りになってくるものなんです。

自分の強みのちょっと不思議な探し方

繰り返しになりますが、自分の長所や強みとは、「人に決められるようなものではなく、自分で自覚するようなもの」です。

だとすれば、今の自分が感じている感覚、思い、人に与えたいと思うことの中に、自分の強み(強さ)があります。

自分は人に、仲間に、同僚に、パートナーに、家族に、なにがしたいのか。

それは人によって変わるものですし、なかなか共感を得られないような独自の視点もあるかと思います。

が、まずそこに気づいて「自分は〇〇を与えたい人間なのだな」と一旦受け入れてみることですよ。自信を感じられなくてもいいので、まずそう気づいてみることです。

その上で、実際にかんたんなことからでいいので、自分の与えたいものを人に与えてみましょう。

優しくしたいなら、気遣いを。
支えてあげたいなら相手のことを手伝う。
美味しい料理を作ってあげたいならそれを行う。
何か教えてあげたいなら相手のわからないことを教えてあげる。

なんでもいいです。できる範囲の行動してみることです。

行動していけばどんどんその部分は磨かれて上手になっていきますよ。

 

そもそも僕たちの持つ長所(強さ)は、他の人にとっての短所(弱さ)です。

例えば、もし自分の強さが優しさなら、周囲にあなた以上に優しさを持った人がいなかったかもしれません。

自分の強さが料理を美味しく作ることなら、周囲にあなたを満足させる料理を作れる人はいないかもしれません。

自分の強さが仕事で稼ぐことなら、周囲にあなた以上に稼げる人はいないかもしれません。

だから、「自分は人から優しくしてもらえない」「美味しい料理を振る舞ってもらえない」という失望や悲しみを感じる可能性は十分にありえます。

そこで不満や「人を許せない」だとか「どうして自分と同じことができないんだ」という要求を持つこともあろうかと思いますが、そんなときはこう考えてみましょう。

それを与えることが自分の強みであり、長所なんだ、と。

自分の身近な人の中に、自分以上に優しさを持っている人はいなかったのなら、それはある意味「しゃーないこと」なんです。

もし、あなたが自分の強みや長所以上ものを他人に求めたとしたら、それは自分が負けることを意味するってご理解いただけるでしょうか。

だから、その不満を持ち続けていたとしても自分の長所や強みを認めることができません。

自分の長所・強みを認めるには、自分が欲しい物を与えてくれなかった人を理解し、許すしか、前に進む道はないんだよな、と思ってみましょう。

 

と同時に、「自分が欲しい物を求めていいんだ」と自分に許可を出してみましょう。

もしあなたが自分の長所や強みを感じたいのであれば、それを素直に「感じたい」と思っていいんです。

いつも我慢ばかりしてきた人にとってはちょっとハードルが高いと感じるかもしれませんが、まぁ日頃から自分が欲しい物、やってみたいこと、自分の気持が満たされること、興味のあることに触れるようにしていると、いつしか上手に自分の気持ちに許可しやすくなっていきますよ。

このあたりの自分の気持ちに対する許可は上手に出してみてくださいね。

もちろん人から何かを奪ったり傷つける行為など、いわば間違った許可を出しても効果はありませんので念の為。

 

自分の強み・長所は誰かの弱さを愛するためにある

そもそも自分の強み・長所というものは、誰かの弱さを愛するためにあるものです。

そして、その強み・長所は未だあなたの中で「あなたに見つけてもらう時をずっと待っている」と言えるのかもしれません。

だから僕はこうお伝えしたいのです。

いたずらに自分を否定し、無理に自分を変えるなんてことはしなくていいよ、と。

もう少し自分の気持ちに素直になりながら、自分をじっくり見つめてみてはどうでしょうか、と。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 個々のご相談を心理学の視点で整理して、明快に言葉にしていくカウンセリングが人気。 キャリア17年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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