「気づけば、周りからお願いばかりされている」
「断れなくて、いつも自分ばかり頑張ってしまう」
そんなお話を伺うことがあります。
もちろん、「あなたが信頼されているから」「優しいから」と言われても、心の奥では報われない感覚が残るものじゃないでしょうか?
「どうして私は、ちゃんと大切にされないんだろう・・・」
そう思って悲しい気分になることもあるやもしれません。
実は、僕は男性なんですけど、この手の気分に頻繁に陥った過去がありましたっけね。
自分でも不思議だったこの心の仕組みを知ったときは、結構驚きました。
ということで、今日は「人にいつもお願いをされたり、依存されやすい私の心はどうなっているの?」というテーマでコラムを書いてまいります。
Index
「NOが言えない」だけではない、依存されやすさの正体
人に依存されやすい人は、単に「断れない」わけではありません。
その心の奥には、「相手を傷つけたくない」「関係を壊したくない」という誠実さがあります。
しかし同時に、「頼られなくなったら、自分の存在価値がなくなる」という無意識の自己否定が潜んでいることも少なくないのです。
すると、「自分を差し出すことでしか関係を保てない心の構造」ができ上がりやすいんです。
これが、依存される関係を繰り返す背景になっているのです。
無意識の「心理的距離」が近すぎる
実は、こうした方の多くは、自分が他人と「近すぎる距離感」で関わっていることに気づいていません。
心の中で他人を“家族のように”感じ、相手も同じようにあなたを「近い存在」と錯覚します。
要は、ものすごく頼みやすい他人、になってしまうんですよねぇ。
だからこそ、人はあなたに気を許し、甘え、頼り、お願いを重ねていくのです。
あなた自身は距離を取っているつもりでも、心のレベルでは相手を深く受け入れてしまっているのですね。
なぜ距離が近くなるのか:愛の学習と“癒着”
この「近すぎる距離感」は、幼少期の家庭や過去の人間関係の中で形成された可能性があります。
親や家族との関係で、「相手に合わせて愛される」ことを学んだ場合、人との間に“心理的癒着”が起こりやすくなります。
ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、「癒着」とは、簡単に言えば「心と心がくっついてしまい、相手との境界線が曖昧な状態」。
相手の感情を自分のことのように感じ、相手の期待や不安を無意識に引き受けてしまう状態を指します。
この状態では、「相手にお願いされる=自分が必要とされている」と錯覚しやすくなり、結果として人間関係の中で負担が増えていくのです。
距離を取り戻す第一歩:「距離感の取り方について意識する」
では、どうすればいいのか?という話なんですけどね。
まず大切なのは、「私はちゃんと距離を取っている」という感覚をいったん疑うことです。
もちろん、今のあなたのあり方が悪い、と言いたいわけじゃありません。
ただ、あなたにとっての“普通の距離感”が、他の人より少しだけ近い。
このような実は近い距離感をつくる人ほど、普段は人との距離を取りすぎていることが多いんです。
だから、自覚としては「私はちゃんと距離を取っている」と感じている。
人によっては「いつも一人ぼっち」「寂しい」と感じやすいのです。
だから、実は何らかの人との関係を作るときに、近くなりすぎることに無自覚な人が少なくない、といいますか。
なので、まずこの事実を認識することが、依存される構造から抜け出す第一歩になります。
自分を否定せず、新しい距離感を育てる
人との距離が近いこと自体、まぁ悪いとは言い切れないのです。
癒着の距離感で人と関わる人って少なくないですし、日本の文化的側面からも癒着って意外と受け入れられている側面もありますから。
ただ、ちゃんと相手を見て、信じ、愛せる距離感を作るには、健全な距離感を育てる必要があるわけですね。
そもそも「頼まれやすい人」って、相手を愛し、信じる心をあなたが持っている人が少なくないんです。
ならば、それを適切に発揮する距離感を学んでいくこと。
自分に優しく、他人と健全な距離を育てる感覚を身につけることで、人との関係は自然と穏やかに変化していきますよ。
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最後に:優しさを、きちんと使えるようになるために
もし「頼まれすぎて疲れた」「人との距離感が分からない」と感じるときは、
それは“優しさの使い方”を見直すタイミングかもしれません。
あなたの中の優しさは、十分に価値がある。
あとはそれを、「人のため」ではなく「自分も含めた関係のため」に使えるように整えていくだけです。
関係性のバランスを整えることは、自分を責めることではなく、自分の心を守る選択でもあります。
僕はカウンセリングを通じて、あなたの関係性のバランスを整えるサポートをさせていただいています。
一人で悩まず、ぜひご相談ください。

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