すれ違う夫婦の心理

頑張っているのに苦しくなる恋愛には、「役割」の問題が隠れている

遠くを見つめる女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

恋愛や夫婦関係の相談を聞いていると、よくこんな言葉が出てきます。

「私が我慢すればうまくいくと思って」
「空気を悪くしたくなくて」
「相手も大変そうだったので」

一つひとつは、とても“ちゃんとした判断”に見えるんですよね。

思いやりがあるし、大人だし、関係を壊さないための選択でもある。

だから、間違っているわけではない。

ただ、話を聞きながら、僕はいつも少しだけ引っかかるのです。

その選択は、本当に「そうしたかったこと」だったのかな、と。

今日はそんな感覚をお持ちの皆さんに届けたいテキストです。

よろしければどうぞ。


善意なのに、なぜか恋愛や夫婦関係が苦しくなる理由

恋愛や夫婦関係がしんどくなるとき、多くの人はこう考えるようです。

「私の考え方が未熟なんだろうか」
「もっと心が広ければよかったのかな」
「ちゃんと愛せていないのかもしれない」

でも実際には、よほどの案件じゃない限り「愛情が足りないから苦しくなる」というケースはあまりない、という実感が僕にはあります。

むしろ逆で、

ちゃんと愛している
ちゃんと相手を大切にしている
ちゃんと関係を守ろうとしている

その結果として、「なぜか自分だけが疲れていく」。

そんな構図のほうが、圧倒的に多いのです。


「役割」という視点

ここで、少しだけ見方を変えてみます。

僕はこういう場面を考えるとき、よく「役割」という言葉を使います。

役割というと、少し堅く聞こえるかもしれませんが、

要は、

その場をうまく回すために、自然と引き受けてしまった立場

くらいの意味です。

たとえば、

  • 我慢する人
  • 空気を読む人
  • 相手を支える人
  • 問題を起こさない人

恋愛や夫婦関係の中で、こうした役割を担ってきた人は、少なくないと思います。


役割は、悪いものではなかった

ここは、とても大事なところですが・・・

役割を引き受けること自体が、悪いわけではありません。

むしろ多くの場合、それは「その時点での最善の選択」でした。

  • 関係を壊さないために。
  • 相手を失わないために。
  • その場を生き延びるために。

そうやって身につけた役割に、「無駄だった」とか「間違っていた」と言う必要は、まったくないと僕は思います。

その役割があったからこそ、続いてきた関係もあるでしょう。


ただし、役割はずっと続ける前提で作られていない

ただ、問題が出てくるのはここからです。

役割というのは、もともと「一時的なバランスを取るためのもの」として生まれたものです。

ところが、恋愛が深まったり、夫婦として生活が長くなったりすると、関係の質が変わってきます。

距離が近づく。
期待も増える。
一緒に背負うものも多くなる。

そうなったとき、役割だけでは持たなくなる瞬間が出てくる。

それでも同じ役割を続けようとすると、どこかで無理が出る。

そんなとき・・・

「ちゃんとやっているはずなのに、苦しい」

「関係は続いているのに、満たされない」

そんな感覚が、静かに積み重なっていくわけですね。


役割の問題は考え方の問題ではないことも多い

役割がしんどくなってくると、多くの人はこう考えます。

「もっと割り切れたらいいのに」

「考えすぎなければいいのに」

「気にしなければ楽なのに」

でも実際には、これは考え方だけの問題ではないことも多いものですよ。

役割を手放そうとしたとき、理由はよく分からないけれど、

怖くなる。

苦しくなる。

何かを失う気がする。

そんな感覚が、体のほうから先に出てくることがあります。

頭では「大丈夫なはず」と思っていても、体が先にブレーキをかけてくる。

これは意志が弱いからでも、依存心が強いからでもありません。

もっと深いところで、

「そうしてはいけない」と学んできた痕跡が、

まだ体に残っているだけ、という場合もあるのです。

なので、僕はカウンセリングの中でお話を聞くだけではなく、感情や感覚にフォーカスしたセッションをご提供することがある、というわけです。


役割が限界を迎えているサインかもしれない

もし今、あなたが

  • 恋愛や夫婦関係の中で、なぜか苦しい
  • 頑張っているのに、報われない感じがする
  • 自分だけが踏ん張っている気がする

そんな感覚を抱えているとしたら、それは性格の問題でも、愛情の不足でもなく、

「どこかで役割が限界を迎えているサイン」

なのかもしれません。

役割はあなたを守ってきました。

でも、ずっとその形のままで生きるために作られたものではない。

そういうことも、あるのです。


 

今日は、ここまでにしておきます。

役割は、どうやって体に染み込んでいくのか。

なぜ手放そうとすると、あんなにも怖くなるのか。

この話は、もう少し続きが書けそうです。

一気に深める話ではないので、

少しずつ、重ねていきますね。

では、また。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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