被害者ぶってる自分が嫌だと思うとき

カウンセリングをさせていただいているとお聞きすることがある言葉のひとつなんですけどね。

「自分だけが可愛そうとか思っている自分が嫌なんです」
「自分に『なに被害者ぶってんの?』って思うんです。」

どこか被害者ぶりたくなっていたり、自分だけ可愛そうだと思いたがっている自分に対する嫌悪についてのお話を伺うことがあります。

こういったお声を伺うと「なるほどなぁ」って思うんですね。

いわばちゃんとしよう、自分自身の中でちゃんと筋を通そうと思われている感覚が、こちらにまで伝わってくるんですよね。

だから、そこまで分かってらっしゃって、それでも被害者っぽい(依存的な)気持ちになるとしたら、そんな自分のあり方自体を否定的に見ちゃうかもしれませんね。

ということで今日は「被害者っぽい気持ちを持つ自分が嫌だ・許せない」という方に向けたコラムです。よろしければどうぞ。

 

被害者意識を強めるとたしかに嫌な気分になる

確かに被害者意識を強めると、いや〜な気分になりますね。

自分だけ愛されないんじゃないか、自分だけ特別ダメなんじゃないか、みたいな。

すると、そういった気分にさせたと思う誰かに対して、文句の一つも言いたくなるかもしれません。

ただ、心理学では「感情は自分が感じているもの」「感情の責任は自分にある」と考えます。

たとえば、目の前の人があなたに対してあまりよろしくない態度や行動をとったとしたら、その態度や行動の責任は相手にあるわけですよ。

ただ、その相手の態度で何を感じたのかに関しては自分の責任となるわけです。

被害者意識とは「私がこう感じるのは〇〇のせいだ」といったものが多いですから、全ての(過失などの)責任は相手にあると認識している状態だと考えられます。

ただ、被害者意識を持つと「自分には力がありません(この問題や状況を乗り越える力がありません)」と認めるようなものでもあるので、無力感やら無価値感やらを強く感じることになります。

だから、誰しも何かしらの被害者になることはありえますが、被害者意識だけを強めると、嫌な気分になり、自分のことも信じられなくなる事が多い、というわけですね。

この視点でみると、「つい被害者ぶっちゃいそうになる自分が嫌だ」と思っている方とは、この「アカウンタビリティ」をしっかり理解されている方ということになるわけですよ。

被害者意識を強めてもいいことはない、気分が悪くなるだけだ、と踏ん張っておられる、ともいえます。

 

ただ、まぁこれは被害者意識を持たないようにと踏ん張っているみなさんにとっては、悪魔の囁きっぽく聞こえるかもなのですけど。

そもそも被害者っぽくなるのが嫌だと思われている方が、被害者意識を持ちたくなるとしたら、やはりそれ相応の出来事が起きていたり、気持ちの面で余裕を失うほどに頑張り続けているものだ、と僕は思うんですね。

たとえば恋愛の中で彼との関係がこじれちゃったとして、「彼のこと責めちゃいけないし、自分でも、何、悲劇のヒロインっぽくなってるの?(被害者ぶってんの?)って思うんです。そんな自分が嫌で。」というお声を伺うこともあります。

しかし、その方のご事情を聞けば、そりゃ感じたくなくても被害者意識だって出てきちゃうよね、と僕が思えるような状況である場合も多いのです。

いいか悪いかは別にして、それだけのことが起きているし、それだけの気持ちがそこにある、ということ。

だから、必要以上に被害者意識を持たないことは自分のためになりますけど、しかし、今、感じている気持ちまで無視しなくてもいいかもしれませんね、なんてお話をさせていただくこともあるんですよね。

 

被害者意識は加害者意識を隠すものだとしたら

このブログでも何度も出てきていますけど、「被害者意識は加害者意識を隠すもの」として作用することが多いんです。

つまり、「何で彼は私のことを愛してくれないのよ」という想いの向こう側には「私が彼のことを愛し抜けなかった」という自分を責める気持ちのようなものが眠っていることが多いのです。

僕もよく「自分が愛されなかったことより、愛せなかった(思いが届かなかった)ことのほうが辛いもの」とお伝えしていますけど、なぜそうお伝えするのかの理由の一つがここにあるわけです。

 

やはりそれなりの出来事が起きていることが多いもの

で、ですよ。

もし、被害者意識を強めたくないと理解されている方に、「私、なに被害者ぶってんの?」と感じるような事態が起きているとしたら、やはりそれなりに、というとなんだか妙な感じもしますが、その方にとって耐え難い感情を感じる辛い状態ではないか、と推測できそうですよね。

そして、被害者意識を持ちそうになってしまう気持ちの向こう側で「私ってちゃんと愛せたのかな・頑張れたのかな」などと(加害者意識を)感じている可能性って少なくないと僕は思うんですよね。

そこに愛があるわけです。

傷つくならば愛じゃないという言葉もありますが、僕は「そこにあなたの愛がなきゃ、苦しまないし、切なさも感じないですよね」とも思います。

しかし、あまりに辛い出来事を前にしたり、今まで蓄積した切なさが溢れてくるなら、つい心が彼を責めたくなったり、自分が可愛そうといいますか、なんともいえない気持ちになってしまいそうになるのでしょう。

 

そんなときはどうか無理をせず、我慢しすぎる前に、ちゃんと「私の中の気持ち」を整理していただけるといいのかな、と思うんです。

本当は望んでいないけれど、しかしつい被害者ぶりたくなるほどに、切ない気持ちを抱えていないでしょうか。

本当は辛いのに、辛いと言えずに来たのではないでしょうか。

自分を奮いたたせるために、自分の気持ちを強く律してきませんでしたか?

実際のカウンセリングでも、僕も「もっと素直な気持ちを吐き出していいんだと思います」「きっと、これ以上の無理はしないでいいんだと思います」とお伝えしています。

繰り返しになりますけど、なに被害者ぶってんの?と思えるほどに、あなたはきっと嫌な気持ちを抱えたくないし、できればいい自分でいたいし、現実を受け止めようとしている方なのでしょう。

だから、もう少し自分の心を大切にしてみてください。

信頼できる人に話してみてください。

自分が感じている気持ちを一人で抱えないで、どうか丁寧に扱ってあげてください。

自分の心を癒やせば、その次の自分、本当になりたい私と出会えるものですからね。それぐらい今のあなたにすばらしさがあるのです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 個々のご相談を心理学の視点で整理して、明快に言葉にしていくカウンセリングが人気。 キャリア17年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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