こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日のテーマは

「君(あなた)とのこと、これからどうしたらいいかわからない」

というパートナーの声。

恋人でも、夫婦でも、関係性の途中でこう言われると、頭が真っ白になりますよね。

  • もう別れたいってこと?
  • まだ続けたい気持ちはあるの?
  • 私は何をすればいい?(何を変えればいい?)

ただ、この言葉って、決め台詞のようでいて、

実は「結論」ではなく「状態」の表明であることが多いんです。

そこでこの記事では、「相手(彼・彼女/夫・妻)がこう言うとき、関係の中で何が起きているのか」を、なるべく整理して書いてみます。


「どうしたらいいかわからない」は、別れの宣告とは限らない

まず最初に大事な話です。

この言葉が出た=即、別れが確定とは限りません。

もちろん、すでに気持ちが離れていて「終わらせたい」と思っている人もいます。

でもそれなら、たいていは「わからない」じゃなく、もう少し結論めいた言い方になるでしょう。

むしろ「どうしたらいいかわからない」は、

まだ続けたい気持ちが残っているのに、続け方がわからない・選べなくなっている

という形で出てくることが少なくありません。

これは、気持ちの整理がつかないってことでもあり、

自分でもどう整理したらいいか分からない、という意味でもある。

時間が欲しいという意味にもなり、悩んでいる自分も辛い、という気持ちもある。

だから、この瞬間に「答えを出せ」と迫るのは・・・うーん。

ただ、そう言いたくなる側のお気持ちも分かります。


相手の中で起きているのは「コンフリクト(葛藤)」

ここからが本題です。

「どうしたらいいかわからない」という状態は、

心理的にはコンフリクト(葛藤)として理解したほうが、だいぶ見通しがよくなります。

コンフリクトとは、ざっくり言うと、

複数の選択肢が“同じくらいの重さ”になって、決められなくなる状態です。

今回で言えば、相手の中で、たとえばこんな選択肢が拮抗しています。

  • 続ける(でも、今のままではしんどい/責任が重い)
  • 別れる(でも、失いたくない/後悔しそう)

ポイントはここです。

続ける選択肢が“完全にない”なら、人は悩まないんですね。

悩むのは、続ける可能性が残っているからです。

ただ、拮抗しているので、決めようとすると苦しくなる。

だから人は、「決められない」という形で止まります。

そして、この状態にいる人に「答えを出して」と迫ると、何が起きやすいか。

わりと現実的には、こうです。

“関係を続ける”をやめたがる

なぜなら、続けることで感じる

  • 曖昧さのしんどさ
  • 期待の重さ
  • 責任の増加

から、とりあえず逃げられるからです。

つまり、別れを選ぶことが「正解」だからではなく、

葛藤を消すための“行動”として別れが選ばれることがあります。

後で後悔するかもしれないのに、その場の曖昧さを終わらせたくなる。

僕たちって・・・一見逃げのように思える、

しかし、苦渋の決断を下すこともありますよね。


「彼ルート/私ルート」のズレが大きいほど、コンフリクトは強くなる

人は、同じゴールを望んでいても、

そこへ行くやり方(ルート)が違うことがあります。

たとえば、この状況では・・・

  • 話し合って、納得して進みたい(あなたルート)
  • 考える時間がほしい/一人で整理してから動きたい(相手ルート)

この違い自体は、優劣ではないし、優劣をつけてもなにも解決しない。

ただ、そうであっても衝突すると厄介です。

なぜなら、どちらも「良くしたい」と思っているのに、

相手のルートが、自分にとって“怖い”からです。

  • 話し合わない=見捨てられる気がする
  • 距離を置く=終わる前兆に見える
  • 結論を急ぐ=圧に感じる

こうして、ゴールは同じ(かもしれない)のに、ルートが平行線になり、

「どうしたらいいかわからない」が出やすくなります。


「わからない」を言われた側がやりがちな、危ない反応

この局面で、言われた側がやりがちなのが、次の3つです。

  • 結論を迫る(白黒を出して安心したくなる)
  • 正しさで押す(話し合いが正義、みたいになる)
  • 自己否定に落ちる(私が悪いんだ、で全部回収する)

そのお気持ちは分かります。

この3つは、どれも「関係を守りたい」気持ちから出てくる反応なのだと思います。

ただ、相手が葛藤の中にいるとき、こうすると、

相手は「続ける」より「終わらせる」ほうに傾きやすいです。

理由はシンプルで、迫られるほど「関係を維持する曖昧さ」が増すから。

曖昧さが増すほど、その曖昧さを消したくなる、というか。


じゃあ、どう扱えばいいの?|見るべきポイントは2つ

ここは、万能の正解がある話ではないのですが、ある程度整理できます。

1)相手のゴールは残っているか

たとえば、相手が

  • 関係を良くしたい気持ちはあるのか
  • ただ逃げたいのか
  • 何が怖いのか(責任/親密さ/将来/自分の限界)

このあたりが、うっすらでも語れるなら、ゴールは残っています。

2)「二人のルート」を探す余地があるか

あなたルートでも相手ルートでもなく、

二人のルートを探す余地があるか。

たとえば、

  • 「今は結論を出さずに、期限を決めて整理する」
  • 「話し合いは短く・回数を分ける」
  • 「第三者(カウンセリング等)を一度だけ挟む」

みたいに、ルートを設計できるなら、葛藤はほどけやすくなります。


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最後に

「これからどうしたらいいかわからない」と言う相手は、

気持ちがないというより、気持ちが選べなくなっている可能性があります。

そして、コンフリクト(葛藤)が強いほど、

「続ける/別れる」が等価値になり、決められなくなります。

この状態に「答えを出せ」と迫ると、

関係を続けることそのものをやめたがる(=葛藤を消したがる)こともあります。

だからこそ、問いは少しだけ変えたほうがいい。

「どうするの?」ではなく、「何が怖くて選べないの?」へ。

相手のルートと、あなたのルートの違いを前提にしたうえで、

二人のルートを設計できるか。

そこが見えてくると、言葉の意味も、次の一手も、少しずつ整理されていきます。

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