リスタートできないとき、心の中で起きていること|“避けたい感情”の話
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「もう一度仕事にチャレンジしたい」
「次の恋愛に進みたい」
「新しい関係に踏み出したい」
・・・そう思っているのに、なぜか動けない。
やる気がないわけではない。
諦めたわけでもない。
むしろ、本当はうまくいってほしいと思っている。
けれど、いざ動こうとすると、どこかで止まる。
そんなお話をうかがうことがあります。
なかなか悩ましいし不安がつきまとう状態ですよね。
今日は、そのとき心の中で何が起きているのか、という話を書いてみます。
Index
リスタートが重くなるとき、避けているのは出来事ではない
僕たちはよく、
「また失敗するのが怖い」
「またうまくいかなかったら嫌だ」
と表現します。
でも実際には、
出来事そのものよりも、
そのとき感じた感情
を避けていることがあるのかもしれません。
たとえば、
- 無力感
- 恥ずかしさ
- 見捨てられた感じ
- 報われなさ
- がっかりした気持ち
あのとき感じたあの感覚を、もう一度味わうかもしれない。
そう思うと、体のどこかがブレーキをかける。
これは弱さというより、
心の自然な反応なのかもしれません。
避けようとすると、同じパターンを強めてしまうことがある
少しやっかいなのは、
「あの感情を感じたくない」と思うほど、
その感情を避けるためのやり方が強くなることです。
たとえば、
無力になりたくない人は、
“無力にならないやり方”を徹底するかもしれません。
見捨てられたくない人は、
“見捨てられない立ち位置”を守ろうとするかもしれません。
傷つきたくない人は、
“傷つかない距離”を保とうとするかもしれません。
それ自体は、防御として意味がある行動です。
ただ、その姿勢が続きすぎると、
視野が少し狭まり、
「自分のやり方」以外が入りにくくなることがあります。
すると、
「自分のやり方」+「別のやり方」=「新しいやり方」
という組み合わせが起きにくくなります。
その結果、同じ場所をぐるりと回っている感覚になることもあるようです。
悪いイメージは、心の“痛み止め”かもしれない
ここで誤解してほしくないのは、
悪いイメージや、不安な想像が悪者だという話ではない、ということです。
僕はむしろ、
悪いイメージには意味があることが多い
と感じています。
心が大きく傷ついているとき、
楽観的なイメージは持ちにくいものです。
それはきっと、
無理に前を向いてさらに傷つかないための、
“心の痛み止め”のようなものなのでしょう。
だから、
いま良いイメージが持てない自分を、
急いで変えようとしなくていいのかもしれません。
ただ、ひとつ問いを置くとすれば、
「なぜ、いま私はこのイメージを必要としているのだろう?」
という視点です。
リスタートとは、気合ではなく“立ち位置”の調整かもしれない
リスタートというと、
気合を入れ直すことのように思われがちです。
でも実際には、
避けている感情をいまの立ち位置から見直すこと
なのかもしれません。
あのときは耐えられなかった無力感も、
いまの自分なら、少し違う距離で扱えるかもしれない。
あのときは飲み込めなかった悔しさも、
いまなら別の意味づけができるかもしれない。
その“距離の変化”が、
結果として新しいやり方を生むことがあります。
リスタートできない自分を、責めなくていい
動けないとき、
僕たちはつい自分を責めます。
でも、動けないのには理由がある。
そこにはたいてい、
避けたい感情と、それを守ろうとする心の働きがあるようです。
リスタートは、急がなくていい。
けれど、ずっと同じ立ち位置に立ち続ける必要もないのかもしれません。
いま自分が避けているものは何か。
それを静かに見つめられたとき、
もう少し自然な形で、再スタートの扉が開くこともあるように思います。
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