好きな人との距離の縮め方がわからなくなる心理|近づけない「怖れ」と親密さの仕組み
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日のコラムは「好きな人との距離の縮め方が、わからなくなる」がテーマ。
恋愛はしたい。関係も深めたい。
でも、いざ相手を前にすると、
体が固まる。動けない。距離の詰め方が・・・分からない。
で、帰り道に感想戦と言う名の自己反省会だけが盛り上がる。
……うーん、切ない。
これ、よく「勇気がない」「自信がない」と片づけられがちなんですけど、
心理学的にはもう少し別の整理ができるんですよね。
結論から言うと、起きているのは多くの場合、
「近づくと自分が揺れるので止まる」という反応だと見ることができますね。
それでは本編へ。
Index
好きな人との距離の縮め方がわからなくなるのは「近づくのが怖い」状態のとき
好きな人ができると、人は影響を受けます。
いい意味でも、悪い意味でも。
それ自体は自然なことです。
でも、もしあなたの内側で
- 相手の一言に必要以上に揺れる
- 近づくほど自分が自分じゃなくなる感じがする
- 相手の反応を過剰に読み取ってしまう
みたいなことが起きているなら、
距離を縮められないのは「やり方が分からない」からではなく、
「影響を受けた自分が傷つくのが怖い」からかもしれません。
心理学ではこういう状態を、広い意味で
「親密感への怖れ」(親密さが深まることへの不安)と呼ぶことがあります。
親密になる=幸せ、のはずなのに、
親密になる=自分が揺さぶられる、に見えてしまう。
このズレがあると、距離の縮め方が分からなくなります。
▶関連記事:親密になるのが怖い心理
恋愛の「ドキドキ」は、実は“怖れ”と近いところにある
これは、きっと余計なこと・・・ではないと思うんですけどね(^^;
恋愛のドキドキって、生理的なレベルでは、「覚醒状態」で、その意味では恐れと近い反応が起きている、と考えることができるんです。
もちろん、嬉しいドキドキもあります。
ただ、好きな人が相手だと、
- 失うかもしれない
- 拒否されるかもしれない
- 自分が壊れるかもしれない
みたいなスイッチが同時に入りやすい。
だから「好き」なのに、体は緊張し、言葉が出なくなる。
それはあなたの
“親密さに触れると反射的に身を守ろうとする反応”
という見方もできます。
距離を縮められないときに起きやすい「防衛反応」
ここからは、
距離を縮められないときに出やすい心理パターンを、
「自分を守るための工夫(防衛反応)」として整理してみます。
相手に好意を抱かれているか不安になりすぎる
「好かれてる?」「迷惑じゃない?」が強くなると、行動は止まります。
これは、
傷つく可能性を最小化するための反応みたいなもの
と、理解してみてください。
過去の恋愛を思い出しすぎる
過去に傷ついた経験があると、その体験を学習します。
「また同じことが起きるかも」と。
その結果、今の相手を見ているつもりで、
実は過去の痛みを見ながら恋をしてしまうことがあります。
自己評価が下がる(相手を上に見てしまう、好きだから)
相手が素敵に見えるほど、自分が小さく見えることがあります。
すると、「近づく=恥をかく」になりやすい。
これは自分を守るための先回りした”撤退”ルートでもあるんです。
「迷惑をかけたくない」が強すぎる
これ、優しさに見えますが、裏側に
- 自分の欲求を出すのが怖い
- 望んだ分だけ傷つくのが怖い
がという気持ちが隠れていることもあります。
このタイプは、親密さに近づくほど
境界線(自分と相手の境界)が揺れやすい人に多いです。
一方的な好意にこだわる(自分のやり方で進めたくなる)
好きな人が現れると、なぜか
- 自分の価値観に固執する
- 相手を理想化しすぎる
- 「正しい愛し方」にこだわる
みたいなことが起きる場合があります。
これは「相手を大切にしたい」という思いを持ちながらも、
実は自分が傷つかない形に現実を整えたいという
無意識のコントロールとなっているケースもありますね。
「変わらなくていい関係ほど安心する」という思い込み
人は、変化が少ないと安心します。
恋愛でも同じで、
- 自分が追いかけられている立場
- 自分のペースだけで進められる関係
- 相手の影響を受けなくていい距離感
この状態だと、まだ心は落ち着きやすいです。
・・・まぁ、追いかけられることも怖いっちゃ怖いですが(^^;
だから「追いかけるな、追わせろ」みたいな話が出回るんでしょうね。
ただ、ここでひとつだけ現実の話をすると、
親密な関係って、
お互いが少しずつ影響を受け合うことで、
結果的に深まっていく性質があるようにも見えます。
片方だけが変わらなくて済む関係は、長期的にはどこかで歪みます。
(これがいわゆる「別れの時限爆弾」として育くまれてしまうことも・・・。)
好きな人との距離を縮めるためにできること
距離を縮めるとは、相手に近づくことというより、
「影響を受けても、自分を見失わない位置に立つこと」
なのかもしれません。
ここからは、そのための具体的な視点を3つ。
1)目に見えないコントロールを手放す
コントロールは、だいたい怖れから生まれます。
「こうならないと困る」「こうならないと傷つく」
その不安を消すために、相手を無意識に操作したくなる。
まぁ、それだけ怖いならしゃーないですよね・・・。
でも、恋愛って“操作”してうまくいくとは限らない。
だから、まずは
- 相手の反応を決め打ちしない
- 自分の不安を相手のせいにしない
- 小さくコミュニケーションする
このへんを意識してみると、関係が乱れにくく、気持ちも落ち着きやすいです。
2)「影響を受ける覚悟」を少しだけ持つ
ここが本題の一つ。
相手と親密になるって、
相手の存在が自分に影響することを許すってことでもあります。
もちろん、相手色に染まれという話ではありませんよ〜。
相手の気持ちや反応が、
あなたに触れること、影響すること、
ときには、自分の中に“波”として入ってくることを、
拒むのではなく、ある程度許容すること。
その“少しの許可”が出ると、距離は縮みやすくなります。
勘違いしてほしくないのは、相手の影響をまるっと飲むことじゃない、ってこと。
それはやり過ぎで、”癒着”と呼ばれる、ちょっと恋愛で引き起こすと大変なことにもなりかねないんです。
▶関連記事:癒着の心理
3)相手のことを「よく知ろう」とする(妄想よりも観察)
好きになると、人はいろ〜んな期待をしますよね。
それ自体は自然なことかもしれません。
ま、相手に全くなにも期待しない”好き”という気持ちも、あまり見たことがない気がします、僕はね。
ただ、期待が大きくなればなるほど、等身大の相手を見なくなります。
きっと相手は〇〇なんだろう・・・。
そんな期待が形作る「私の中の相手のイメージ」ができあがってしまう。
だからおすすめは、期待を膨らませるより、
- 相手はどんな人か
- 何が安心で、何が負担か
- どんなテンポなら会話が増えるか
こういう“観察”に意識を寄せること。
観察できると、関わりが具体化します。
この具体化に、怖れを低減させる効果があるんですよ。
最後に
「距離の縮め方がわからない」は、
あなたが不器用だからでも、恋愛が向いてないからでもなく、
好きな人に影響される自分を、どこかで怖れている状態なのかもしれません。
だから、無理に距離を詰めようとしなくていいです。
ただ、ひとつだけ。
距離を縮めるって、テクニックというより、
「影響を受けても自分を見失わない位置に戻ること」
なんですよね。
もし今あなたが、恋愛の中で立つ位置を見失っている感じがするなら、
いったん深呼吸して、少しだけ自分を整えることから始めてみてください。
このコラムが、あなたが“戻れる場所”を思い出すきっかけになれば幸いです。
こちらの記事も続きにどうぞ
- 好きな人の前で緊張してしまう理由 | 自信や勇気の問題だけじゃなかった、という話
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