職場の苦手な人に疲れる心理|緊張するのは、心がちゃんと働いているから
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
職場に苦手な人がいると、なんか疲れますよね。
その人と話すたびに、ちょっと緊張する。廊下ですれ違うだけで、なんとなく構えてしまう。
別に大きなトラブルがあったわけじゃないのに。
「こんなことで消耗している自分、器が小さいのかな」と思い始める。
ただ、こういった場合って、いいか悪いか別にして、あなたの心が、その人を「警戒すべき人」として判断している。
だから緊張する。
そういった場合も少なくないようですよ。
今日は、そんな話を書いてみたいと思います。
Index
苦手な人のそばにいると、なぜ疲れるのか
苦手な人はたしかに苦手。
ただ、相手のことをよく知らないのに「嫌い」となることは、ちょっと変ですね。
だとすると、嫌いより先に、「緊張する」という状態が来ているのかもしれないと考えます。
あ、合わないな、苦手だな、考え方も生き方も違うな・・・
そう思うから、心が警戒モードに入って、緊張する。
その警戒サインがずっと出続けていることもあると思いますよ。
・・・まぁ、昔すごく仲良かったのに、今では犬猿の仲って話なら全く別なんでしょうが。
たとえばですよ。
仕事帰りにどっと疲れる日があったとして。
その日を振り返ると、苦手な人と何度か関わった日だった、ということありませんか。
別に大きな出来事があったわけじゃない。
ただ、ずっと緊張していた。
それだけで、人ってけっこう消耗するんです。
しかも厄介なのが、この緊張って、相手が何かをしたから起きるんじゃなくて、「そこにいるだけ」で起きることがある。
存在しているだけで、心がアラームを鳴らしている状態ですよね。
そりゃ、疲れます。
「緊張する自分がダメ」じゃないですよ
まず一つ、大事なことをお伝えしたいんですよ。
「この人は、自分にとって注意が必要な人だ」と、心がちゃんと判断している。
その判断が緊張という形で出てきているだけなんです。
ただ、真面目な人ほど「こんなことで緊張している自分がおかしい」「もっとうまくやれるはずなのに」と、自分を責め始める。
緊張しているだけで十分しんどいのに、さらに自分を責めることで二重に消耗していく。
うーん、損してますよね、それ。
選択肢は、突き詰めると2つになる
苦手な人がいるとき、選択肢は突き詰めると2つです。
向き合うか、距離を保つか。
どちらが正解、という話ではないんですよ。
ケースバイケースだし、相手次第とも言えますし、相手との関係性にもよります。
ただ、どちらを選ぶかによって、やることが変わってくるでしょう。
向き合うなら、綺麗事では意味がない
もし、「苦手だけど、この先のことを考えたら向き合っておきたい」と思うなら。
向き合うことを選ぶなら、中途半端にやっても意味がないんです。
「まぁ、うまくやっていきましょう」とか「お互い大人ですし」とか、そういう綺麗事を並べるだけでは、何も変わらない。
むしろ自己開示まで踏み込めるか、というところがポイントになってくる。
「あなたのことを否定したいわけじゃないけれど、実は少し苦手意識があって」
これくらい言えないと、向き合ったとは言えないかもしれません。
実はこの話に関連して、ちょっとリアルな話を聞いたことがあります。
これはご本人に掲載の許可をいただいた話なんですが、「私の職場に性格も考え方も合わない上司が転勤してきた」という話があったんです。
その人は、とにかく頭がいい。理詰めで来る。
かつ、細かいことをいちいち指摘してくる。
最初は合わせていたけど、限界が来たって話です。
で、その方が決意したのが、課のお酒の席だったそうです。
相手も酔っていたタイミングで、こう言ったと。
「○○さんの言い方がきつくて、傷つきます」
「こういったことは、こういう風に伝えてほしいです」
「○○さん、そんなに私のことが嫌いなんですか?」
・・・それで大丈夫だったんですか、と僕が聞いたら。
飲みの席のことだから相手も深刻に受け取っていない様子で、でも、少し態度が軟化したと。
うーん、なかなかやりますよね。
酔ったふりして言えたのは、その方にそれだけの決意があったからだと思いますし、相手への敵意があったらなかなか言えないなぁと思いますしね。
もちろん、これが誰にでもできるかといえばそうじゃない。
相手の性格、関係性、タイミング、全部が揃わないと難しい。
ただ、向き合うってこういうことだよな、と思ったケースではあります。
綺麗事じゃなくて、自分の気持ちをちゃんと言葉にした。それで、何かが動いた。
いいか悪いか別にして、「自己開示せず、適当に合わせておく」という中途半端な向き合い方は、一番しんどいのかもしれない。
合わせているから表面上は問題ない。でも、心の中では警戒し続けている。
その状態が長く続くと、いつか限界が来ます。
距離を保つなら、嫌うまでいかないことが大切
ただ、すべての人がそうやって向き合えるか、というとそうじゃないのかもしれない。
向き合う覚悟まで持てない、あるいは、そこまでする必要もない、という場合もあると思います。
そのときは、適度な距離を保つことを選んでいいのではないでしょうか。
まぁ、相手をガッツリ受け入れて許すという方法もあるんですよ。
これができればすごいことです。
ただ、現実的に職場の距離感でそれを行うって、なんかリアリティない感じもするでしょうし。
たとえば、挨拶はする。報告や連絡は仕事として普通にやる。
でも、そこまで。それ以上、深く意識を持っていかない。
ここがポイントです。
深く意識を持っていかない、ということ。
「相手はなぜあんななんだろう」という興味を持たず、その手前で「あの人はそういう人」で止めておく感じ。
ここで一個だけ気をつけてほしいことがあるとしたら、「苦手」を「嫌い」や「敵意」まで育てないこと、なんですよ。
まぁ、ほうっておくと苦手意識って嫌悪感にまですくすく育ちますからね。
苦手な人がいるのは誰にでもあり得ること。
でも、苦手を我慢して興味関心を持ち続けると、じわじわと嫌悪感に育っていく。
そして、嫌いになってしまうと、挨拶すら苦痛になる。
顔を見るだけで嫌な気持ちにしかならない。
そこまでいくと、もう「距離を保つ」どころじゃなくなってしまう。
だから、「苦手だな」と思うくらいのところで、意識をそれ以上持っていかない。
嫌いだな、と思っても、嫌うまでいかない。
これ、言葉にすると簡単そうですが、意外と難しいんですよねぇ。
苦手な人のことを考えてしまうとき、人ってどうしても「なんであの人はああなんだろう」「また嫌なことを言われた」と、相手への意識がどんどん膨らんでいく。
それが嫌悪感を育てていく。
仕事の中での役割として関わる。それ以上でも、それ以下でもない。
そういう関わり方に慣れていくことが、長い目で見ると一番消耗が少ないかもしれません。
最後に
最後になりますけど、「苦手な人がいること」が気になるのは、確かに安心・安全という側面から見れば、ある意味心が正しく反応しているだけ、とも言えそう。
ただ、もう少し深い僕たちの思いのレベルでは、「別にいがみ合ったり、いたずらに対立したくない」という想いや、できれば理解し合いたい、いい関係で痛い、という気持ちから、苦手な人に興味を持ってしまう場合もあると思います。
ま、そう思う人はそう思う、思わない人は思わない、という、ざっくり別れる部分だとは思いますが。
善意で興味を持って、でも苦手で、相手への脅威や警戒心をずっと出し続けるとしたら、それが消耗する理由になることもあります。
もし、受け入れたり、向き合うなら、自己開示まで踏み込む覚悟を持ってみてください。
距離を保つなら、嫌悪感まで育てないことを意識する。
どちらを選んでも、「緊張している自分を責める」のだけはやめてほしいなと思います。
それが一番、しんどいですから。
もし、苦手な人との関係でどうしようもないと思ったら、信頼できる上司などに相談してみるもよし、カウンセリングで一緒に整理してもよし、かな、と。
何が緊張を生んでいるのか、どう距離を取ればいいのか、その人のケースに合わせて一緒に考えてみましょう。
ちなみにカウンセリングは、東京・名古屋での対面、ZOOMでのオンライン対応もしています。
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