こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

本気で好きだった人との別れを経験したあと、
「よし、前に進もう」と思っているのに、なぜか心だけが追いつかない。

そんな感覚を抱えている方も、少なくないのではないでしょうか。

昔ほどの悲しみはない。
仕事だって普通にこなせる。
日常生活も回っている。
周りから見れば、もう立ち直っているように見える。

それでも、ふとした瞬間に思い出す。
また会いたい気がする。
もう終わったはずなのに、心が行ったり来たりする。

この記事では、

「失恋から立ち上がろうとしている最中」に、心の中で何が起きているのかを、

心理の視点から、できるだけ丁寧に整理してみたいと思います。


その失恋が「挫折」のように感じられる理由

いわゆる本気だった恋が終わったとき。

それは単なる「別れ」ではなく、どこか挫折のように感じられることがあります。

特に、これまで自立して生きてきた人ほど、そう感じやすい。

仕事も頑張ってきた。
人間関係もそれなりに築いてきた。
「私はちゃんとやれている」という感覚を、大切にしてきた。

そんな人が、全力で愛した関係を失うと、

「失敗した」という言葉では片づけられない感情が残ります。

それは、うまくいかなかった悔しさというより、

どこか心が折れたような感覚に近いものかもしれません。


別れたあとも揺れ続けるのは、弱さではない

別れたから、もういいはず。

そう頭では分かっているのに、

  • また会いたくなる
  • 思い出して胸が詰まる
  • 前に進みたいのに、気持ちが戻ってしまう

こうした揺れを感じると、

「自分は未練がましいのかな」
「執着しているのかな」

と責めてしまう方もいます。

でも、この揺れは、起きるべくして起きている、と考えることもできるんです。

心理学の中には「喪失後の心理プロセス」という考え方があるんですよね。

喪失のあとに「否認・揺れ・悲しみ・再統合」といった、いくつかの段階を行き来することが知られています。

今日はそのプロセスを詳しくご紹介することは避けますが、

この揺れは、本気で関わり、本気で失ったときに起きえる反応でもあるのかもしれません

・・・え?そこまで私は本気じゃなかったかも、って思う?

ならば、きっとそれが今のあなたの心との付き合い方なんですよね。


立ち上がろうとする途中で、避けられがちな「悲しみ」

失恋から立ち上がろうとする人ほど、無意識のうちに、ある感情を避けがちになります。

それが、悲しみです。

悲しみは、とても扱いにくい感情です。

  • 仕事を頑張っていれば紛れる気がする
  • 時間が経てば消えると思える
  • わざわざ立ち止まらなくてもいい気がする

だから、多くの人がこう思います。

「今は忙しいし」
「そのうち忘れるだろうし」
「ちゃんと前に進まなきゃ」

それ自体が、間違いなわけではありません。
誰も、その選択を否定することはできません。

ただ一つだけ、知っておいてほしいことがあります。


悲しみを置き去りにすると、恋愛が怖くなっていく

処理しきれなかった悲しみは、形を変えて、あとから影響を及ぼすことがあります。

たとえば、

  • 次の恋で、ちょっとしたすれ違いが過剰に響く
  • 小さなケンカで、心が一気に冷える
  • 「また同じことになるのでは」と不安が強くなる

これは、相手への執着が強いから起きているとは限りませんよ。

悲しみという感情を、まだちゃんと通り抜けていないだけ、という見方もできます。

嫌な話に聞こえるかもしれませんが、

この悲しみを避けるために、無意識のうちに別の関係に逃げてしまう人もいます。

浮気や不倫が、「欲望」ではなく「感情処理」の代わりになるケースがあるのも、カウンセリングの現場では珍しくないケースでもあるのです。


今は、無理に立ち上がらなくていい

もし今、あなたが

  • 前に進もうとしているのに、気持ちがついてこない
  • 昔のように人を愛せる気がしない
  • 関わること自体が、どこか怖い

そんな状態にいるなら、無理に立ち上がらなくていい、と僕は思います。

それは、怠けでも、後ろ向きでもありません。

自分の心に、きちんと必要な時間を使うプロセスの中にいるのだと思います

悲しみをちゃんと感じることは、たしかに辛いことではありますが、

あなたがあなたを壊してしまう、ということでもないでしょう。

でも、もし、一人では難しいかもと思ったら、

セッションなど、信頼できる安全な場で丁寧に扱うことを考えてみてください。

それも、もう一度、関われる自分に戻っていくためのプロセス

・・・ホントはこんなプロセス味わいたくなかったかもしれませんよね。

ただ、このプロセスを通り抜けたとき、いいかどうかは別にして

あなたの心はきっと、以前よりもしなやかに強くなっているはずです。

悲しみを受け止めた先で、気づいたら、

前より少し強くなっていることもあるのかもしれません。


「私らしさ」は、頑張って取り戻すものではないらしい

失恋のあと、「私らしさを取り戻さなきゃ」そう思う方も多いかもしれません。

でも、私らしさは、努力して作り直すものではありません。

なぜなら、私らしさは見えなくなっただけで、消えてはいないから。

自分を磨くことはあっていいと思います。

様々な経験を経て、私らしさの形を変えることもあると思います。

しかし、そもそもゼロから作らなければならない私らしさはない。

悲しみを通り、自分が何を大切にしていたのかを思い出し、

それを否定せずに受け止めた先で、自然と戻ってくるものです。

本気で愛したこと。

深く傷ついたこと。

それでも立ち上がろうとしていること。

そのすべてが、あなたの一部です。

少なくとも僕のセッションでは、そう扱わせていただいています。


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最後に

今、失恋から立ち上がろうとしているあなたは、すでに「回復の途中」にいるのかもしれません。

揺れることも、立ち止まることも、そのプロセスの一部です。

どうか、「早く元気にならなきゃ」ではなく、

「ちゃんと戻っていこう」という目線で、自分を扱ってあげてください。

その先で、また誰かと関わりたいと思えたとき、

あなたは以前より、少しだけ深い場所から人と出会えるはずです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 個々のご相談を心理学の視点で整理して、明快に言葉にしていくカウンセリングが人気。 キャリア17年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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