甘すぎない恋愛心理学

「好き」と「愛」の違いを心理的に解説します

腕を組み悩む女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

 

「“好き”と“愛”って、どう違うんですか?」

恋愛や夫婦関係のご相談の中で、よくいただく質問のひとつです。

「やっぱり“好き”じゃないと付き合えないけど、好きだけでは続かない」

「愛があれば続く気がするけど、そもそも“愛する”って何?」

そう感じる方、多いのではないでしょうか。

今日は心理学の有名な理論「愛の三角理論」をベースに、「好き」と「愛」の違いを分かりやすく解説します。

よろしければどうぞ。

「好き」とは、“好意”と“関心”の感情

好きという感情のシンボル

心理的にいう「好き」は、“その人にポジティブな感情を抱くこと”を意味します。

言い換えれば——

「その人と一緒にいると安心する」

「もっと知りたい、関わりたい」

といった「興味・関心(liking)」の反応です。

つまり、「好き」とは“自分の内側で起こる感情”です。

相手がどうであれ、感じることができる。

たとえば芸能人を「好き」になるのと同じで、相手が何かを返してくれなくても“好き”という気持ちは存在します。

「愛」とは、“関係を育てる意思”

愛のシンボル

一方で「愛」は、感情よりも“関係”の問題です。

愛という言葉の意味としては、「深く愛し、いつくしむ心」のことを指すことが多いですね。

恋愛においては「特定の相手を恋い慕う心」という意味です。

つまり、愛するということは「相手を思い、与えること」とも言えます。

心理学者ロバート・スタンバーグが提唱した「愛の三角理論」では、愛は3つの要素から成り立つとされています。

  1. 親密性(intimacy) … 心のつながり、信頼、共感
  2. 情熱(passion) … ときめき、性的魅力、憧れ
  3. コミットメント(commitment) … 続けようとする意思、責任感

この3つの要素の組み合わせで、「好き」と「愛」は明確に区別できます。

「好き(Liking)」は“親密さ”だけがある状態

たとえば、親友や気の合う同僚を「好き」と感じるとき、そこにあるのは“親密さ”です。

お互いの理解や安心感はあるけれど、

情熱やコミットメントはそれほど強くない。

恋愛初期の“好き”も同じ構造です。

「話していると落ち着く」

「この人といると自分が好きになれる」

といった感情的な満足が中心。

ただし、まだ「この人と生きていこう」という意志までは育っていないことが少なくないのかもしれません。


「愛(Consummate Love)」は“3つの要素がそろった関係”

一方で「愛」は、親密さ・情熱・コミットメントの3つが統合された状態。

スタンバーグはこれを「完全な愛(Consummate Love)」と呼びました。

この愛の形では、パートナーがお互いを深く理解し、強い魅力を感じ、長期的な関係を維持しようと決意しており、円満で理想的な関係とされています。 

“好き”が自分の感情なら、“愛”はふたりのやり方です。

お互いに思い合いながらも、ときにぶつかり、支え合い、時間をかけて築かれていくもの。

愛とは「与え、慈しみ、維持する」プロセスそのものなんですね。


「好き」は一瞬を彩る。「愛」は時間を通して育つ。

“好き”は瞬間的な感情とも言えます。

相手の魅力を感じて、心が動くこと。

“愛”はその心の動きを、「どう育てていくか」まで責任を持つ感覚です。

恋愛初期の情熱(passion)は3年ほどで落ち着くといわれますが、そのあとに親密さとコミットメントが残ると、関係は安定します。

つまり、

「好き」は始まりを彩る。

「愛」は続ける力を与える。

恋愛や結婚が長く続くカップルは、この「愛の三角形のバランス」を無意識に整えている、といえるのかもしれません。

そして、「好きだけじゃやっていけない」は本当

「好きだけじゃやっていけない」

これもまたよく耳にする言葉ですが、これは心理的にも妥当だと言える側面があります。

“好き”は感情なので、時間とともに変化します。

一方、“愛”は意思と努力で育てる関係。

「好きだけでやっていけない」という言葉は、

「感情の熱量が下がっても、関係を支える意思や力を持てるか」

という問いなんです。

愛は二人のやり方をつくるもの

恋愛心理的に「愛」について考えると、

愛は「自分と相手」の価値観、やり方、感覚などを持つという意味合いにもなります。

つまり、愛するということは

自分を肯定的に受け入れている状態で、心を開き相手とコミュニケーションを取りながら二人の価値観を創造するということに近いのです。

だから、僕たちは愛すると決めると、愛する人のために、自分の何かを失うことがあっても怖れない勇気が持てるようになる、とも言えるでしょう。

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最後に:好きの奥に、愛を育てていく

いかがでしたでしょうか?

最後に気をつけていただきたいことは、「好き」と「愛」は、どちらが上とか下ではありません。

そもそも比較すること自体に意味はないのです。

“好き”は愛のカタチとも言えるんです。

ただ、親密さ(好き)、情熱、コミットメントが揃った“愛”は、関係を長く続ける土台になるものなんでしょうね。

多く、恋愛が続かないとき、多くの人は「好きが冷めた」と思いがちです。

でも実際には、“愛に進化するステップ前進することが怖くなった”という場合も少なくないんですよ。

自分の中で少しずつ“関係を育てる愛”に変えていければ、恋愛はずっとやさしく、現実的になっていくはずです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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