こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は「恋愛と期待の心理」について書いてみます。

「・・・正直もう疲れました。彼に(夫に)期待しない方法ってないんでしょうか?」

「彼(夫)に期待しないようにしてきたんですが、もう毎日が虚しくて・・・」

そんなお声をカウンセリング現場でうかがうことがありますね。

・・・そういった方はこんな風にお考えなのかな、と思います。

「期待するから、苦しくなる。だったら、期待しなければいい」。

うん、理屈としては、そのとおりですよね。間違っていないし、破綻もしていない。

ただ・・・カウンセリングで恋愛(夫婦)のお話をうかがっていると、このようにお感じの方けっこう多いんです。

「期待しないようにしてみたけど、前より苦しいかも」と。

今日は、そのあたりの恋愛・夫婦の心理と、「こんなとき、どうすればいいのよ?」という部分を書いてみますね。

まず、「期待しない恋愛」って、こういうことじゃない

最初に、誤解をひとつ解いておきたいわけです。

いわゆる「相手に期待しない恋愛」って、相手に何も望まないことでも、傷つかないように心を閉ざすことでも、どうせ分かってもらえないと諦めることでもないんですよ。

・・・え?って思いました?

長くカウンセリングの現場にいると、

「彼に(夫に)期待しないってことは、相手に何も望まないし、してほしいことも諦めるし、こちらからも何もしないでおくことだ」

と思われている方とたくさん出会います。

もちろん、そう思われるにはきっと理由があると思いますし、そう思わなきゃいけないってかなり切ないことだと思うのですよ。

だから、そのように思われている方を否定的に見ることはないです。

ただ、期待しないということは、「むしろ、その逆」ということをお伝えするのです。

「彼(夫)に期待しない」とは

「相手を、そして相手をパートナーに選んでいる自分を、信じる気持ちは持ちながら、相手や自分の気持ちの反応に、自分の価値を預けすぎないこと」。

いわゆる、無関心になることでも、相手に冷たくなることではない。

自分の気持ちの置き場所を、少し整えること。

そう書いたほうが分かりやすいかもしれませんねぇ。

彼氏に期待しない方法として、よく言われること

で、いわゆる「期待しない方法」として、よく挙がるものを、先にまとめておきますね。

ひとつは、彼をコントロールしようとしないこと。

「分かってもらいたい」「こう変わってほしい」が強くなると、関係が重たくなるので、彼をどうにかするより、自分がどう関わるかに重心を置く、という話。

ふたつめは、それでも自分の気持ちはちゃんと伝えること。

「私はこう感じた」「こうしてもらえると助かる」「これは悲しかった」。伝える。ただ、その結果までは、握りしめない。

みっつめは、彼の反応と、自分の価値を切り分けること。

返信が遅い、思ったような反応がない。それを、すぐ「私は愛されていない」に結びつけない。彼の反応には、彼なりの事情や限界もありますからね。

・・・だいたい、こんなところだと思います。

ネットで検索すれば、似たような話はいくらでも出てきませんか?

これ、全部、間違ってないですよ。ほんとに。

ただ・・・ここからが、今日の本題なんですよ。

期待しないようにすると、かえって苦しくなる

・・・自分で紹介しておいて、なんですけどね。

やってみた方は、たぶん、こうなるんです。

期待しないぞ、と決める。返信が遅くても、気にしないようにする。

「彼には彼の事情がある」と、自分に言い聞かせる。

・・・なのに。

スマホを見ちゃう。

ざわつく。

「あ、また私、期待してる」と気づいて、今度はそんな自分にがっかりする。

・・・あるいは、もっとしんどいパターンもあって。

それが「期待しないことに成功しちゃった」なんて場合。

彼に何も求めなくなる。

何をされてもされなくても心が動かない。

ざわつかない。

・・・で、楽になったかというと。なんか、違うんですよ。

確かに以前のように心は乱れず、静か。

だけど、とにかく寂しい?虚しい?

これは、期待を手放したというより、愛する気持ちごと封じた状態に近いのですよね。

相手に何かを望んだり、相手を愛する気持ちを持っていることが辛いから、もう封じるしかない、という状態。

これはホント辛いですよ。

なんのために彼と(夫と)一緒にいるのか?その根底の理由が揺らぐ可能性がありますからねぇ・・・。

とにかく「大切に思う人を大切に想う」ということができないだけでなく、自分で封じるわけだから、かなり悲しいことだと僕は思うんです。

もちろん、そうするしかない事情があったのだろうな、と思うんですが。

何がいいたいか、と言うと、

彼への(夫への)期待って、愛や思いやりとけっこう近いところから芽生える、ということ。

だから、彼への期待を根元から引っこ抜こうとすると、愛したい気持ちまで一緒についてきちゃうんですよね。

「彼氏に期待しなくなった」ときに、起きていること

もう彼に(夫に)期待しないほうがいい、と思う自分がいるけれど、いざ期待しなくなると、不安になる。

「私、冷めたのかな」「この関係、もう終わりなのかな」と。

そういったお声をうかがうこともあるんですけどね。

・・・その不安、僕はまっとうだと思いますよ。

ただ、それっておそらく「不安」というより、「今の関係からの撤退」をイメージされているんじゃないかな、と思うんです。

何度も期待して、何度も外れて。

そのたびに傷ついて。

だから、あるとき、心のどこかが判断するんです。

「もう、期待するのやめとこ」と。

これ、賢い判断なんですよ。傷つかなくて済みますから。

ただ、その代わりに、失うものもあるようです。

彼に何かを望む気持ち。

分かり合えるかもしれないという希望。

・・・つまり、今の彼との関係を育てようとする力です。

だから、静かなのに虚しい。

ただ、それはあなたの中に愛がなくなった、優しさが無くなったという話ではないのだと思います。

たぶん、思うように愛し合えない時間の中で、傷つきすぎたからなんですよね。

傷ついた、つまり、そこまで頑張ったのはあなた自身なんですよ、きっと。

期待が外れて苦しいのは、彼にがっかりしたからじゃない

で、ここが、今日いちばんお伝えしたいところです。

期待が外れたとき、僕たちは「彼にがっかりした」と思いますよね。

でも、ほんとに苦しいのは、そこじゃないんですよ。

期待が外れると、その裏で、こっそりこう思ってしまうんです。

「あたし、見る目がなかったのかな」

「こんな人を選んだ私が、バカだったのかな」

「私の愛し方が、下手だったのかな」

・・・つまり、彼への失望と同時に、自分への失望が起きているんですよ。

これ、地味に痛いです。

かつ、なかなか誰にも言えない相談の最たるもの、とも言えます。

「私、やっぱり男を見る目がないのかな」

そんなこと、なかなか友達にも親にも相談できないし、もし「アンタ見る目がないなぁ」と言われたら

・・・ちーん_| ̄|○

ってなりません?

・・・悪かったな、見る目がなくて。

見る目がないよ、だからこんなに今が辛いんだよ。

幸せになりたいし、好きな人を愛したいのに上手くいかない私はダメな女なんだよ。

・・・そんな虚しさを自己攻撃の嵐が巻き起こりかねないっすよね?

上手くいかない関係。

それだけでもけっこうしんどい。

自分が選んだ、好きになった彼を責めることもかなりしんどい。

そこに、自分の見る目がないとか、自分の愛し方まで疑い始めると、もう逃げ場がなくなりませんか?

で、この「自分への失望」が積みあがると・・・・

「もういい、愛するのをやめる」としか思えない。

それは愛することを諦めるしか無い、という苦渋の自己防衛の決断。

こんなしんどいことないよな、と僕は思いますよ。

ただ、そうしないと自分を守れないとしたら・・・

ね、「期待しなくなった」に、つながるでしょう。

期待しない恋愛が虚しくなるのは、たぶんここが理由なんです。

自分への失望が強くなりすぎているのかもしれない

・・・でも、その評価、本当に正しいのでしょうか?

と、僕は真っ向から向き合うカウンセラーでございますよ。

そこにあったのは、ちゃんと愛したかった気持ち

期待が外れて、自分にまで失望する。

それって、裏を返すと、何を意味してるんでしょうね。

・・・ちゃんと、愛したかった、ということじゃないですか。

分かり合いたかった。大切にしたかった。いい関係を、育てたかった。

そう願ってきたから、届かない現実に、傷つくわけですよ。

「自分の愛する気持ち」と、「それを関係の中にうまく落とし込めていない実感」。

このギャップが苦しさの正体なんだと思います。

そして、なぜかこのギャップが埋まらない。

だから、「もっといい愛し方があるんじゃないか」と考えてリサーチしてしまう。

つい、占いなどを見て「彼の気持ちや様子はどうなんだろう?」と気になってしまう。

そこまでしているのに、彼との関係がうまくいかないからこそ、彼に対してめっちゃむかつきはじめる。

しかし、なかなかそのギャップが埋まらないとしたら。

おそらく、考えたほうがいいのは「自分自身の扱い方」です。

・・・え?って思いました?

なにそれ?って思いました?

そう思われた方は、こんなイメージをしてくださいな。

「今、私は風邪をひいて40度の高熱を出しながら、ウエディングドレスを着ている」

・・・なんか、なんか違うな、変だな、おかしいなって思いません?感覚的に。

あと、ちょっとしんどいな、と思いません?

これが、自分への評価がメタメタになってる状態なんです。

この状態で「何かを手放そう」と考えているとしたら・・・?

そりゃ、もう全てを投げ出したいと思っても不思議ではないし、自分の大切な気持ちの価値も意味も冷静に見れないですよね?

つまり、手放そうとしているものの中に、いちばん大事なものが混じってるので虚しすぎて、悲しすぎてどうしようもなくなるんです。

・・・40度の高熱が収まったときに、そう思うんですよ、きっと。

だから、手放す順番が違うのかもしれない

じゃあ、どうするか。

彼への期待を消そうとする前に、見ておきたいものがあるんじゃないかな、と思うんです。

それは、その期待の裏にある

「私、ちゃんと愛したかったんだな」という気持ちです。

そして、「でも、うまくできなかった」という、あの、じんわりした失望。

僕の経験上、多くのご相談いただく方が、一方的に彼に(夫に)要求ばかり突きつけていたり、期待をぶつけ続けているわけじゃないんです。

「ちゃんと好きなんだよ」

その気持ちが根底にある。

ただ、多くの「期待」の話は、そこを無視して、「期待するほうが未熟なんだ」と論じる。

・・・恥ずかしながら10年前の僕は同じように論じていたと思います。

でも、本当にそうなんでしょうか?

長くカウンセリングの現場にいて、たくさんの方のお話を伺ってきて、「そうじゃないかもな」と思うことはたくさんありましたよ。(そうじゃないケースもありますが)

彼に不満や文句があるから期待する、とは限らない。

私の愛が彼に届かないという思いが強いときに、期待してしまう。

ちゃんと受け取ってもらえない気持ちの数が、期待につながっている。

だから、もう愛さないことが、自分を守ることにつながる・・・。

これからもずっと好きでいることがつらすぎる、と感じてしまう。

でも、好きな気持や愛を否定することほど痛いものはない。

だから、彼に「もう助けてほしい」「私と向き合ってほしい」と願う。

これを未熟な期待と切り捨てていいのか・・・。

僕自身長く考え続けてきたことでもあります。

何も事情を理解しないまま「期待しない私」を目指すと、無理が出るのは、このあたりに理由があるんじゃないか。

そう思うわけですね。

頑張って我慢して、でも苦しくて、うまくいかない自分をまた責める。

・・・これはもう辛すぎませんか?

だから、もし、いい意味で「彼への(夫への)期待を手放す」プロセス、その順番としては

期待をやめようとするより先に、「私、この人をちゃんと大切にしたかったんだな」と、認めてあげるところから。

・・・ちょっとしんどいですね、これ。

そう、いい意味での期待を手放すプロセスの入口は、ちょっとしんどい。

もう涙も悲しみもたくさん出てくるかもしれない。

そこが入口になっているから、どうしても「諦め」を「期待しないこと」につなげたくなるんだと思います。

でも、そこできちんと自分の気持ちを整えて、出てくる涙や悲しみは出すだけ出していく。

それはきっと、あなたが彼を(夫を)思ってきた数だけ溢れ出すはずですから。

すると、自分を追い込んだり、傷つけ続ける必要が減ってくるんですよ。

そこからなんです。

いい意味で期待しない私になるプロセスが進むのは。

ただ、あまりにこのプロセス、一人で取り組むのはしんどい。

できれば彼が(夫が)付き合うべきプロセスなのかもしれないけど、なかなか付き合ってくれないから、今があるとしたら・・・。

こんないい方もどうかと思いますが、彼の代打で僕のようなカウンセラーがあなたをお支えする役割を担うこともあるんですよねぇ。

そう、彼の代打・・・。

うーん、なんか僕が微妙な気分になりますけど(^^;

ま、それで楽になってくれる方がいるなら、いくらでも付き合いますよ、うん。

捨てなくていい期待もあるんですよ

あと、これも大切なことなので書いておきますね。

期待には、2種類あると僕は考えていましてね。

ひとつは、不足感からの期待。

「私を安心させてほしい」「私の不足を埋めてほしい」。こちらは、彼の反応次第で自分が大きく揺れるので、苦しくなりやすい。

もうひとつは、彼の幸せや、良い結果を願う期待。

「この人がうまくいくといいな」「この関係が育つといいな」。こっちは、期待というより、信頼に近いものです。

「期待しないほうがいい」と言われるのは、前者のほうでしてね。

後者まで捨てようとすると・・・それはもう、人を愛さない、ということになってしまう。

僕自身、それが辛すぎて苦しい思いをされている方とたくさんお話をさせてもらってきました。

そりゃ苦しいですよね、って思います。

でも、そこまでしなくてもいいんです。

手放したいのは、期待そのものじゃなくて、自分への評価がぐらついたら、期待していないと立っていられない状態のほうなんですよね。

おわりに

彼氏に期待しない方法。

試してみる価値はあると思います。

実際、それで楽になる方もいらっしゃいますし。

ただ、もしうまくいかなかったとしても。

あるいは、期待しなくなった自分が、なんだか虚しかったとしても。

それは、あなたがダメなんじゃないんですよ。

ちゃんと愛したかった。その気持ちが、まだそこにある、というだけの話で。

だからこそ、僕のカウンセリングでは、期待しないことよりも先に、あなた自身の心の状態から整理していきます。

かといって、安易に励ますわけでもないですが(^^;

ただ、あなたが今までどのように頑張ってこられたのか。

どんな風に彼を(夫を)大切に思われ、二人の幸せを願われていたのか。

そこからは降りないお約束をしますよ、という感じです。

もし、一人で「期待しない自分」を目指すのが、しんどくなってきたなら、僕でよければ、いつでもどうぞ。

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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 相談しなくても日常が回っている。でも、どこかしんどい。そんなとき、丁寧にあなたの生きづらさやお悩みをほどいていきます。 キャリア17年・臨床10,000件超。東京・名古屋・オンライン対応

このうまくいかない恋愛には、必ず理由があります。

ただそれは、あなたがダメだからじゃない。

まずは僕の考え方、スタンスを読んでみてください。

「自分で決めたいとは思っている。でも、なにか引っかかる。」

そういうとき、専門家の視点が整理の助けになることがありますよ。

答えを出すのはあなた自身でいい。

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