職場のいい加減な人にイライラするのはなぜ?|真面目な人ほど仕事を抱え込む理由と対処法
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は実際のご相談の中でも出てくる、「いい加減な人に振り回されてイライラする!」という、ちょっとだけ厄介な話を書いてみます。
たとえば職場で、
- 言ったことを忘れる
- 締切を守らない
- 指示がコロコロ変わる
- 自分のミスなのに、なぜか周囲がフォローする
- 「まぁ何とかなるでしょ」で済ませる
そんな人っていますよね。
で、こちらが真面目に仕事をしているほど、
「いやいや、何とかしてるのはこっちなんですけど?」
と思う。
・・・分かります(笑)
いい加減な人に振り回されるって、単純に仕事が増えるだけじゃないんですよ。
「どうしてこの人はちゃんとやらないんだろう」
「普通、ここまで言われたら気づかない?」
「なんで私ばっかり尻拭いしないといけないの?」
と、家に帰ってからまで考えてしまうこともあります。
ただですね。
こういった話を伺っていると、ときどき、「相手がいい加減だから腹が立つ」だけではなさそうだなと感じることがけっこうあるんですよ。
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真面目だからイライラする、というだけでもない
さて、この話に関しては、気にする人はこっそり気にしすぎてストレスになっている。
しかし、気にしない人からすると「え?まぁそんな人もいるよね」という話にもなるんです。
だから、家族や同僚、上司に相談すると
「あなたが真面目すぎるから、いい加減な人にイライラするんですよ」
「もっと適当になればいいんですよ」
なんて言われることもあるんじゃないかな、と思います。
その意味も理解しつつ、僕としては「もうちょっと丁寧に心理を見つめていきたいかな」と思う部分があります。
約束を守る。
相手に迷惑をかけないようにする。
必要なことを先に考える。
任されたことは最後までやる。
・・・これらは、仕事をするうえでは、普通に大切なことです。
なので、いい加減な人に腹が立ったからといって、「私は細かすぎるんだ」「もっと適当にならないと」とだけ考えなくてもいいと思うんです。
むしろ僕が気になるのは、
「いいか悪いか別にして、なぜ、他人のいい加減さが、そこまで自分に影響を及ぼしているのか」
という部分なんですよ。
「あの人がやらないなら、私がやるしかない」が始まる
たとえば、いい加減な同僚が仕事を忘れる。
そのままだと困るので、こちらが確認する。抜けがあればフォローする。お客さまに影響が出そうなら、自分の仕事じゃなくても手を入れる。
これ、一回ぐらいならいいんですよ。
でも、何度も続くと、
相手がどう行動するかまで、こちらが気にするようになるんです。
「ちゃんと確認したかな」
「また忘れてないかな」
「このままだと絶対あとで問題になるよね」
と、相手の仕事まで頭の中に置いておく。
そして案の定、相手がやらかす。
すると、「ほら、やっぱり!」となる。
・・・本当にやらかしてるなら、そりゃ腹も立ちますよ(笑)
そして、あなたの危機管理意識は、かなり優秀なものなんでしょうね。
ただ、その頃には相手のミスそのもの以上に、
「また私が何とかしないといけない」
という感覚が強くなっていることがあります。
相手の仕事や、相手がやらなかった結果まで、自分の責任のように感じ始めている。
僕は、ここが結構大きいと思うんです。
真面目な人ほど「後始末」まで自分の責任にしやすい
責任感が強い人って、「自分の仕事をきちんとやろう」だけではなく、「その結果、周囲にどんな影響が出るか」まで考えていることが多いんです。
周囲を見られる。先を読める。誰かが困らないように動ける。
これは、かなり大きな長所です。
ただ、その力が強いほど、
「誰かがやらなければ、自分がやったほうが早い」
にもなりやすい。
すると、いい加減な人を見るたびに仕事が増えるんです。
実際の仕事も増えるし、頭の中の仕事も増える。
「あの人、今度はちゃんとやってくれるかな」という心配まで背負うからですね。
そんなとき、
「まぁまぁ、相手にも事情があるんだから、理解してあげましょうよ」
という話もあるんでしょうけどね。
・・・実は僕、あまりそこから入らないことが多いカウンセラーです。
いや、相手のことを理解することが間違いじゃないのですが、それだけが「答え」になるとさらに悩むというか。
確かに、いい加減な人にも事情はあるでしょう。
ただ、それを理解したからといって相手が態度を変えるかどうかは、結局相手次第です。
理解されることで変わる人もいる。
変わらない人は、まぁ変わらない(笑)
そうであっても、こちらの気持ちのあり方が大きくブレない状態になることも大切ではないかな、と。
「自分ならこうする」が、いつの間にか基準になる
真面目な人ほど、「自分ならこうする」という基準もしっかり持っています。
自分なら確認する。期限までに出す。迷惑をかけたら謝る。一度注意されたら直す。
これは素晴らしい部分です。
ただ、「自分ならこうする」が、「だから相手もこうするべき」に変わると、しんどくなりやすい。
「普通これぐらい分かるでしょう」
「社会人ならやるでしょう」
「一回言われたら気づくでしょう」
しかし、相手はそうしない。
あーもう、イライラする!ってなりますよね(^^;
すると今度は、「理解できない人」を理解するために、ものすごくエネルギーを使い始めます。
「なんで?」「どうして?」「どういう神経してるの?」
もちろん、業務上必要なら注意も指導も必要です。
ただ、仕事上必要なことを伝えることと、相手が何を考えるか、反省するか、どんな人なのか、まで自分が考え続けることは別です。
僕は、この二つを分けることを「線引き」と考えています。
いい加減な人に振り回されにくくする「線引き」
ここが今日の一番大事なところです。
「相手のことを理解して、こちらから歩み寄れば、相手は変わってくれるかもしれない」とだけで考えないこと。
これは、相手を理解するな、という話ではありません。
適切な心の距離がないまま相手を理解しようとすると、こちらが相手の事情まで引き受けることになりやすいんです。
なので、まずは、相手は相手。私は私。
仕事上必要なことは伝える。
でも、相手がそれをどう受け止めるか、反省するか、その後どんな態度を取るかまではこちらが背負わない。
そこは相手の領域です。
そして、ここは案外大事な話なんですけどね。
自分の領域をちゃんと守れるようになると、相手の領域も勝手に侵してはいけない、と分かるようになるんです。
ときどき、
「自分のことを優先したら、身勝手な人間になってしまうんじゃないか」
「相手を傷つけるぐらいなら、自分が我慢したほうがいい」
と思っている方がいます。
そういった方ほど、全く悪意なく「相手の領域に踏み込んじゃっている」ケースがけっこうあります。
・・・確かに、いわゆる「自分のことばかり考えている人」も、相手の事情を考えず、その領域へ平気で踏み込んでしまうものです。
だから、「そんな人にはなりたくない」と、自分が我慢することでバランスを取ってきた人もいると思うんです。
でも、本当は二択じゃないんですよ。
自分の領域を守る。そして、相手の領域も守る。
そこまでがセットなんです。
YESはYESだし、NOはNO。必要なことは伝える。
でも、相手がどう感じるか、どう生きるかまで全て引き受けないし、コントロールもしない。
だから、こちらが相手に「何をどう伝えるといい方向に流れるのか」を考えるわけですよね。
この「お互いの領域を守る感覚」が育ってくると、我慢して自分を消す必要もなければ、相手を押さえつける必要もなくなるんですね。
むしろ、お互いを尊重できる関係を作りやすくなるんです。
いい加減で仕事をしない部下に困っている場合
たまに、管理職の方から、「困った部下がいるんですが、どうしたらいいでしょう?」というご相談をいただくこともあります。
管理職なら、部下の仕事ぶりについて責任を持つ場面は当然あります。
ただ、僕がカウンセラーとしてお伝えするのは、
「部下の仕事は管理する。でも、部下そのものまで自分の責任にしない」
ということです。
仕事が遅い。ミスが多い。指示を守らない。
そこは事実として扱えばいい。
でも、当然のことながら
「この人は人間としてダメだ」
「性格から直さないといけない」
まで行くと、仕事上の課題と相手そのものへの評価が混ざってきます。
この二つは分けたほうがいいですよね。
逆に、相手の内面のことまで考えすぎると、こちらが相手の責任まで引き受け続ける状態になります。
すると、相手自身が「これは自分の課題なんだ」と向き合う機会が見えにくくなることもあります。
仕事上必要なことはきちんと伝える。
こちらも礼儀を尽くす。
でも、その先は相手の責任。
それぐらいの線引きは、むしろ相手を一人の大人として扱うことでもあると思うんです。
線引きしたほうが、対話しやすくなることもある
この線引きは、突き放すことや無関心とは違います。
「私は私、あなたはあなた。だから、お互いに尊重しましょう」という話です。
こちらも相手の人格や内面まで批判しない。
そのうえで、困ることは困ると伝える。
そのほうが、相手もこちらの話を受け止めやすくなることがあるんですよ。
少なくとも、こちらは「相手の人格まで何とかしようとしない」ので、相手も「否定される・非難される」と感じにくく、話し合うには適した状態になることが多いです。
少なくとも、こちらが余計な気持ちまで背負わずに済みます。
逆に、黙って受け入れ続けた末に、ある日感情が爆発して相手の領域まで空爆しちゃうと・・・。
まぁまぁ、話し合いになりません(^^;
・・・これ、職場だけじゃなく、恋愛や夫婦関係、家族関係でも同じなんですけどね。
「相手との線引き」が難しい人もいる
とはいえ、
「線引きしましょうね」と言われても、
「それができれば苦労しない・・・」と思われる方もいるでしょう。
放っておけば誰かが困る。
仕事が止まる。
お客さまに迷惑がかかる。
自分まで評価を落とすかもしれない。
そう思えば、結局こちらが動くこともあります。
僕は、それ自体が悪いとは考えません。
ただ、
「なぜそこまで、自分が、相手の仕事やその結果まで気にしているんだろう?」
というところは、一度見ておいてもいいと思うんです。
もしかすると、昔からそうだったのかもしれません。
- 家族の中でも、自分がしっかりしていた
- 周囲が揉めないように気を遣ってきた
- 人が困っていると放っておけなかった
- 「自分がちゃんとしていれば大丈夫」と考えてきた
もしそうなら、職場でも「誰かが雑なら私が補う」という反応が自然に起きることがあります。
それが間違っているという話ではないんです。
むしろ、それで長い間、周囲を支えてきたのかもしれません。
ただ、今も全部、自分が引き受けることで、本当に状況は良くなるんでしょうか?
ここは考えてみてもいいところです。
いい加減な人に振り回されないために見るところ
なので僕なら、「もっと適当になりましょう」ではなく、まずこんなところを見ます。
相手の仕事や反応、内面的な部分まで、自分が引き受けようとしていないか。
「自分ならこうする」を、無意識に相手にも求めすぎていないか。
・・・ここです。
もう、ここしかないというぐらい。
相手の尻拭いを、現実的にはこちらがしなければならないこともあるでしょう。
それでイライラするなら、その気持ちは自然です。
心が狭いとか、そんなふうに考えなくていいんです。
ただ、心のレベルで線引きができてくると、相手に腹が立つことはあっても、その人のことで一日中頭を持っていかれる状態からは離れやすくなります。
すると、「まぁ、ここから先はあなたの仕事ですよ」と押し返しやすくなる。
必要なら相談も受ける。
困ることは伝える。
でも、相手の分まで心の中に置いておかない。
相手のいい加減さによって、自分の気持ちが乱れない。
あれこれ考えすぎて、一日全部持っていかれない。
まずそこを目指すといいと思っています。
この状態になる前に、相手の権利や言い分ばかり考えたって、自分が苦しくなるだけなんですよね。
最後に|「相手が変わらないと、自分も楽になれない」から抜ける
いい加減な人に振り回されているときほど、
「この人さえちゃんとしてくれれば」と思います。
その気持ち、僕もよく分かります。
ただ、「相手がちゃんとすること」が、自分が楽になる条件になってしまうと、かなりしんどい。
「ちゃんとしてください」と伝えることと、
「この人がちゃんとするまで、私が気にし続ける」ことは分けたほうがいいんです。
相手がやるべきことは相手に返す。
困ることは伝える。
必要なら上司に相談する。
フォローする範囲も決める。
そして、相手がやらなかったことの責任まで、自分が全部引き受けない。
少しドライに聞こえるかもしれませんけどね。
ただ、自分の領域を守りながら、相手の領域も尊重する。
そのほうが、自分も相手も一人の大人として扱えるんです。
いい加減な人に振り回されない、というのは、案外そういうことなんじゃないでしょうか。
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頼まれると断れず、「自分がやったほうが早い」と仕事を抱え込みやすい方はこちらもどうぞ。
▶ 「頼まれると断れない」。いつの間にか“私の仕事”になっていた。
相手に気を遣って先回りしてしまうときの「境界線」については、こちらの記事でも詳しく書いています。
▶ “察して動く私”をやめた私 〜やさしさを残したまま境界線を引くコツ〜
そもそも「合わない人」とどのくらいの距離で付き合えばいいのか悩んでいる方はこちらも参考にしてみてください。
「自分らしく生きましょう」って、よく言いますけど。
その“自分らしく”が分からないから困ってるんですけどね。
ちゃんとやっているのに、なんとなく疲れる。
人に合わせられるけど、これでいいのかなと思う。
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