こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日はお久しぶりの忍耐女子シリーズの記事でございます。

テーマは「私、なぜ好かれているのか分からない」。

「彼は、優しいんです。ちゃんと好意も示してくれる。連絡もくれるし、大事にしてくれてる」

「……でも、なんで私のこと好きなのか、わからないんです」

こういうお話、カウンセリングでのご相談になりやすい話なんですよね。

  • 今、彼や彼女との関係がうまくいってるはずなのに、落ち着かない。
  • 愛されてるはずなのに、どこかそわそわする。
  • 今、幸せなはずなのに、この先この関係が続く自信があまり持てない。

で、つい相手に聞きたくなる。

「どこが好きなの?」「なんで私なの?」と。

・・・その問いが、ずっと心の中にしこりみたいに残る。

今日は、この感覚の正体を、重箱の隅をつつくような感じで少し掘ってみようかなと思います。

・・・えぇ、余計なお世話だと承知しておりますが、「なぜ好かれているか分からない」を超えて、安心できる関係のために、ね。

「好きが分からない」より、「好きを受け取る位置にいない」

「なぜ好かれているか分からない」。

その理由として一般的に考えられるものが「自己肯定感が低いから」という話でございましょうか。

・・・確かにそれは正しい見解だと思います。

ただ、僕の臨床経験では「自己肯定感が高めな人なのに、愛されているかどうか分からず困ってる」なんてお話もうかがうわけでございますね。

たとえば・・・

自分のことは好き。

完璧な私、とかは思わないけど、そこそこいいと思ってる。
自分のことは概ね何でもできるし、やりがいのある仕事もある。

・・・しかし、恋愛(特に異性の言動を前にすると)、急にハテナが増える。

「え、それどういうこと?私、愛されてるの?」

「どうして彼(彼女)は私のことを選んだんだろう。」

そんな純粋な疑問が湧く。

だから相手に聞いてみる。

答えは返ってくるけど、うぬぬ、いまいちピンとこない・・・。

そんなお話です。

こういったとき、僕は自己肯定感とは違うところを見ていましてね。

そもそも「なんで好かれてるかわからない」と感じているとき。

実は、関係の中にいる当事者じゃなくて、その関係を外から見ている「観察者」的な意識が強くなっていることが少なくないんですよ。

・・・分かりにくいですかねぇ。

ぶっちゃけて書くと、

「体は彼の前にあるけど、心はちょっと離れたところから、この場を眺めている」

みたいな感じです。

・・・幽体離脱か、と思われた方。

それは違いまっせ(笑)

結局、なぜか愛し愛される状況になると、主観ではなく俯瞰で状況を眺める癖がついている、みたいな話です。

だから、パートナーの「好き」は、音として、声としては聞こえている。

でも、心のほうは、

ふむふむ

・・・・・・・・で?

となる。

・・・いや、それアンタの話やで、というツッコミをあえて入れさせてもらいますけども。

本当に?

いつから好きなの?

いつまで好きなの?

私のどこが評価された?

な〜ぜ?、なぜなぜなぜなぜなぜなぜ???

もはや「私の感情を動かせたら大したもんだよ」と、どこかのプロレスラーの発言のような位置に、うっかり立っちゃってる感じ。

よって、僕の見解は「相手の好き、すなわち好意を受け取る位置に立ってない」となります。

・・・おーい、こっち戻ってこーい、って感じですけどね。

ま、心がそこにいないんだから受け取れないですよね、という話。

「どこが好き?」と聞いても、心が満ちない理由

で、この位置にいると、何が起きるか。

相手の好意も、それに伴う安心感も、感じるのではなく「確認するもの」として扱いはじめるんですよ。

指差し確認!前、よ〜し!後ろ、よ〜し!

・・・一体どこに向かって出発されるおつもりなんでしょうか?

この指差し確認は、以下のような形で日常に登場します。

こちらが「どこが好き?」と聞く。

彼が答える。「うん、〇〇なところ」。

で、「ほんとに?」と確認する。

・・・彼には「ほんと」という一手しか残っていないわけですが。

すると「ふーん、他には?」と聞く。

・・・あー、やってんな、あたし。

そう思ったあなたの心はきっと健全です。

まあ、多かれ少なかれ、誰しもあると思うんですよ。

で、ここが最も重要なポイントですが。

確認しても、なかなか心は満ちない。

なぜだと思います?

ここ、今日いちばん書きたいところなんですけどね。

「相手の中にも相手の好きが在る」という感覚

ちょっと、変な質問をしますね。

あなたが誰かを好きになるとき。

その「好き」は、あなたの中に、ちゃんと在る感じがしますよね。

理屈じゃなく、勝手に湧いてくるというか。

じゃあ、逆はどうでしょう。

彼の中にも、同じように、あなたを好きだという気持ちが、勝手に在る。

理由や条件で計算されたものじゃなくて、ただ、在る。

・・・この感覚、なんとなく、分かりますか?

「なんで好かれてるかわからない」と感じている方って、この感覚がよくわかんない、みたいなお話をしてくださるわけですよ。

自分の中の「好き」は分かる。

でも、相手の中に「好き」が在るという感覚が、なんかこう・・・実感として入ってこない。

だから、確かめるしかなくなる。

相手の内側が感じ取れないので、外から証拠を集めにいく。

・・・ね。

集めても満ちないのは、そりゃそうって話なんですよ。

感じ取る回路じゃなくて、確認の回路を使ってるので。

だから、好かれている証拠は増えるのに、実感は増えない、という。

しかもこれ、恋愛だけの話じゃないことが多くてね。

仕事でも、友人関係でも、なんとなく自己完結しがち。

誰かが自分を気にかけてくれている、という感覚が、あんまりピンとこない。

・・・ねぇ、思い当たること、ありませんか。

もうひとつの「好かれることが分からない」理由

それと、まったく別のパターンもあるんですよ。

好かれること自体が、プレッシャーになるタイプ。

好意を向けられた瞬間・・・

なんか、重い。

責任を感じる。

期待に応えないといけない?と思ってしまう。

そして次の瞬間には、「私、いつか嫌われるかも」と思っていたりする。

「いつこの関係も終わっちゃうんだろう」とか「いつ相手の気持ちが冷めるんだろう?」と無意識的に推測してる。

これ、もう一つの安全確認方法なのです。

指差し確認!未来にリスクなし!今にめんどくさいことなし!

みたいな。

そう思えば、未来に訪れるかもしれない悲しい出来事に備えられる、と思うのかもしれない。

だから、「今の関係を維持するには頑張り続けないと」という思いが強い人にとって、「他人からの好意」は、けっこう重たいものであったりするんですよ。

好かれたくないわけじゃない。

けれど、好かれると逃げ場がなくなる感じがする、なんて場合もある。

他にも、「もし相手を失ったら?」「この人を傷つけたら?」と考える人もいる。

それはなんとも言えない切なさを伴った葛藤なんですよね・・・。

それぐらい「相手を大切に想う気持ちがある」とも言えますが、「相手の好意を心の負荷のように感じたくなくても感じてしまう」なんて場合もあるのかもしれない。

だから、「好き」が分からん位置に移行したくなる。

これは自分の心を守る反応です。

・・・なかなか、よくできた仕組み。

誰が作ったんや、これ。

「好き」と向き合う勇気を持ってみる

「自己肯定感を上げましょう」「まず自分を好きになりましょう」。

こういった話は、今の自分があまり好きじゃないかも、という方には有効です。

自分を好きになることは素晴らしいことですよ。

それでも「好き」を外から見ているままなら、あまり変化がないかもしれない。

「うん、私は私で、けっこういい人間だ。・・・で、一人のほうが楽かも」

そう思いやすくなるかもしれないですしね。あ、もちろん、一人でいたいという思いも尊重しますよ。

ただもし、「好き」を理解したいと思われるならば。

必要なのは、自信の量だけではなくて

「好きが分かる場所に立つ勇気」

のほうなのかもしれませんねぇ。

好きと言われたときに感じる、過剰な責任感、相手から感じる期待の重さ・・・

そういった感覚はおそらく「過去の経験で学んだもの」です。

目の前の相手がぶん投げてくるものではないかもしれない(実際、ぶん投げてくる人もいますが・・・)

そもそも、愛されるって、好きって言われるって、ちょっと怖い。

実は「責任を背負ったり、期待に応えようとすること」で、その怖さになんとか抵抗しようとする心の反応だったりもします。

だから、責任感や期待、場合によっては「自分は愛されないんじゃないか」という気持ちは、丁寧に見つめて、できれば少しづつ下ろすといいですよ。

無理やり下ろすのはリスキーなので。

そうやってゆっくり下ろしていって、いつか

「・・・やばい、こわい、でも信じたい、あ、ちょっと嬉しいかも」

そう心が感じる位置に立つことができたなら。

そこで、自分の心が動きません?

この心が動く、という部分が何よりのポイント。

そこから、すごく嬉しいし、こんな幸せないわ、とも思えるかもしれない。

・・・もちろんムカつくことも増えるかもしれませんが、そりゃしゃーないというか。

おわりに

愛されているのに、受け取れない。

それは、好きを受け取る位置に、心がまだ慣れていないだけ、なのかもしれません。

最後に、ふたつだけ、自分に聞いてみてほしいことがあります。

ひとつ。「相手の中にも、相手の好きという気持ちが、勝手に在る」。

この感覚に、なんとなく共感できますか。

ふたつ。誰かに好かれることに、恐れやプレッシャーを、感じやすくないですか。

・・・どちらかがピンとこなかったとしたら。

それは、あなたがダメだという話じゃないです。

ただ、そこはなかなか一人で考えて答えが出るところじゃない、というだけで。

そもそも「感じ取りたくないものを感じ取る」って至難の業です。

そういうものは、たいてい、誰かとの関係の中でしか動かないものです。

なので、まずは安全な場所で、たとえばイメージを使ってでもいいので実際に受け取ってみる経験をする。

そこから、じわっと動きはじめる感じを掴むのもかなり有効です。

練習ですね、心を動かす。

この練習をしておくと、本番で支えになる、というか。

そんなカウンセリングやセミナーもやってますので、そのあたりを見つめたくなったら、ぜひお越し下さい。


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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 相談しなくても日常が回っている。でも、どこかしんどい。そんなとき、丁寧にあなたの生きづらさやお悩みをほどいていきます。 キャリア17年・臨床10,000件超。東京・名古屋・オンライン対応

ここまで読んでくれたあなたは、きっとずっと、一人で考え、頑張ってきた人だと思います。

本来は成し遂げたかったことがある。愛したかった人がいる。傷つけ合ったり、対立したくはなかった。

でも、上手くいかなくなってしまうとしたら、そこにもきっと善悪を超えた”理由”があるんですよ。

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