上司に相談できない人の心理 ──「怖い」「頼れない」が生まれる本当の理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、「上司に相談できない」というお悩みをテーマに扱います。
仕事で困ったことがあっても、上司に相談できない。
一度や二度ではなく、繰り返し起きている感覚かもしれませんね。
本当は相談したい、助言が欲しいと思っても、何故か言い出せない。
「これくらい自分で何とかしないと」と一人で抱え込んでしまう。
上司から「大丈夫か?」と聞かれると、反射的に「大丈夫です」と言ってしまう。
次第に、心も体も、仕事の中身にも限界が訪れてきて、
「もう一人で抱えきれない・・・自爆しそう・・・」
そんなお悩みをうかがうこともあるんですよね。
そこで、この記事では、
「上司に相談できない」という状態の裏側で、
心の中で何が起きているのかを、心理構造の視点から整理してみます。
Index
「相談できない」は、プライドの高さだけが原因ではない
まず最初に大切なことをお伝えします。
上司に相談できないのは、
あなたのプライドが高すぎるから、でも、
自立心が足りないからでもない。
そんなケースは比較的多いです。
そもそも上司に相談できないのは「怖すぎる」からです。
実際、上司が怖すぎて、相談しようものならマシンガンを打ち込まれる、なんてケースもあるんでしょう。
それはあなた、ではなく、上司の能力の問題や、環境的な問題でしょうね。
ただ、話を聞いてくれそうな上司なのに、それでも相談できないとしたら
多くの場合、そこには非常に強力な「怖れ」が作用していることが多いもの。
それは、こんな感覚です。
今までの経験の中で
- ミスをしたら、とんでもなくひどい目にあう
- 迷惑をかけたら、ひたすらに責められ、責任だけ取らされる
- 相談する=能力がないと思われる
- ミスをしたらこの場所から去らねばならない
こうした感覚が、頭ではなく、
体感レベルで「危険」としてインプットされていると
もはや上司がどういった人間かなどの要因は、心の中でド返しされるんです。
相談しようとした瞬間に、心や体が強くブレーキをかけてしまうのです。
その怖れは、どこで作られたのか
この強い恐れは、
多くの場合、過去の経験や生育環境の中で学習されたものが多いですよ。
たとえば、
- 失敗したときに強く叱責された経験
- 「迷惑をかけるな」と厳しく言われて育った
- 弱音や相談が許されない家庭・職場環境
- 前職場がブラックで、何をしても追い込まれまくった経験
こうした体験を通して、心の中に
「ミス=危険」
「頼る=攻撃される」
というルールが作られていきます。
これは性格ではなく、生き延びるために身につけた反応とも言えます。
外的要因としての「相談を受け付けない上司」
繰り返しになりますけど、とても重要な視点があります。
それは、本当に「相談を受け付けない上司」が存在するという事実です。
・相談すると不機嫌になる
・話を遮る、聞き流す
・結果だけ出せと言われる
こうした上司のもとでは、相談できなくなるのは当然です。
この場合、問題はあなたの心理ではありません。
外的要因の問題です。
そのときは、
- 別の上司に相談する
- 人事・産業医・社内窓口を使う
- 信頼できる第三者に状況を整理してもらう
など、「環境を変える」方向で考えた方が現実的です。
権威との葛藤──「力」を怖がる心
もう一つ、深いところで関係しているのが、
権威との心理的な葛藤です。
上司は、心理的には「権威」や「力」の象徴。
もしあなたが、
自分が力を持つこと、主張すること、影響を与えることを怖がっていると、
その反動として、
権威的な立場の人をどこか攻撃的に見る視点を持つことがあります。
そして、心の中でこんな意味づけが生まれます。
「自分は上司を内心で攻撃している。
だから、相手も自分を攻撃してくるはずだ」
これは心理学でいう「投影」に近い状態です。
また、これは目の前の上司に対してだけ抱いている葛藤ではない場合もあります。
上司のことは人間的に理解できていても、
たとえば、過去の上司、父親、先生などの権威的な人に対して葛藤を抱いている場合、
無意識的に、目の前にいないその人物を、上司という存在に貼り付けて見てしまう。
なので、上司が悪い人ではないと理解していても、
なぜか足がすくむ、ムカつく、遠ざけたくなるのです。
この「意味づけ」を持っていると、そもそも上司に相談するという選択肢そのものが消えてしまいます。
相談するとしたら、敗北を意味する。
なので、勝つまで戦うか、燃え尽きるまで消耗するか・・・
その2択になってしまうこともあるんです。
結果として、
- 責任も
- 仕事も
- 苦しさも
すべてを一人で抱え込み、追い詰められていく、という悪循環に入ってしまうのです。
これ、笑い話じゃなく、かなり深刻な問題を作るんですよ。
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「相談できない自分」を責めなくていい
この記事を読んでくださっているのは、
実際に上司に相談できずに苦しまれている方かもしれませんね。
ここまで読んでくださった方には、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。
上司に相談できないあなたを責める必要はないということです。
それは、過去の経験の中で作られた心の意味づけであり、
環境との相互作用の結果と見ることもできます。
要は、相談できないのがおかしい、のではなく、
相談できないのであれば、そこには事情があるということなんです。
また、心理的な意味づけは、
あなたの意欲次第ではありますけど、
自分の中で気づくことで、少しずつ更新することができます。
そして、環境が問題なら、環境を変えるという選択も、立派な対処です。
あなたが壊れるまで、一人で抱え続ける必要はありません。
どうかあなたが職場の中で、心を落ち着かせて仕事ができますように。
そう祈っております。
※本記事は一般的な心理構造の解説であり、特定の診断や評価を目的としたものではありません。
深刻なストレス状態が続く場合は、専門家への相談もご検討ください。
ここまで読んでくれたあなたへ。
「期待しないほうが楽なのかな」「職場にいづらいな」「私って人と違うのかな」
そんなことを、なんとなく考えながら読んでいた方もいるかもしれませんね。
それ、軽い悩みのようで、案外ずっと一人で抱えてきたことだったりしませんか?
一人で抱えている人ほど、自分に厳しく、他人に優しい。
そんなこともあるのかもしれませんね。
でもね、そのしんどさの根っこには、必ず愛や優しさがあるんですよ。
だから、もし何かあったとしても、自分を無理に追い込まなくていいんですよ。
まずは僕の考え方、スタンスを読んでみてください。
たしかに悩んでいることはある、けれど相談するほどのことでもない。
そう思えるのはきっと幸せなことなんですよね。
自分でなんとかなる、どうにかできると思えるって素晴らしいことですから。
でも、もし、あなたが一人で抱えきれなくなったなら、これ以上自分を追い込まないでほしいなと願っていますよ。
一人で抱え込まなくていいと思えるだけでも、問題解決の道筋が見えることもありますからね。
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