最悪を避けるために頑張りすぎてしまう人の心理 ―「期待」に振り回される人生から降りる視点
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「ちゃんと頑張っているはずなのに、なぜか報われない」
「期待して待っているのに、思ったような結果にならない」
そんな感覚を、どこかで抱えたことはないでしょうか。
仕事でも、恋愛でも、人間関係でも。
特別に大きな成功を望んでいるわけじゃないのに、
なぜか気持ちだけがすり減っていく。
今日は、そうしたときに起きやすい
「期待」と「目的」のズレについて、
感情面だけでなく、心理面からも少し整理してみたいと思います。
Index
頑張っているのに報われないと感じるときに起きていること
先日、行きつけの美容院で、こんな話になりました。
マスター「最近、動画サイトで育○剤の広告をよく見るんですよね」
僕「ああ、あの“最悪の未来”と“最善の未来”を同時に見せてくるやつですか?」
マスター「そうそう。つい見ちゃうんですよね」
別にその広告を批判したいわけではありません。
ただ、その話をしながら、ふと思ったことがあったんです。
僕たちはときどき、
「こんなふうにはなりたくない」という最悪のストーリーと、
「こうなれたらいいな」という最善のストーリーを同時に思い描きながら、
気づかないうちに、
その“最善”に期待し続ける生き方を選んでしまうことがあるのかもしれません。
そして、その期待が叶わない時間が続くほど、
失望感や虚しさが増していくことも少なくないように思います。
「思ったような人生にならないな」
「そんなに贅沢を望んでいるわけじゃないのに」
そんな感覚を抱えている方に、今日は読んでいただきたい話です。
なぜ人は「期待してしまう生き方」から抜けられなくなるのか
まず、「期待すること」自体が悪いわけではありません。
人は誰しも、何かに期待しますし、期待があるからこそ踏ん張れる場面もあります。
ただ、問題になりやすいのは、
自分の行動のエネルギーを、ほぼすべて「期待」に預けてしまっている状態です。
たとえば、
「この仕事を頑張り続けていれば、いつか報われるはず」
「この資格を取れば、人生が変わるはず」
「相手を頑張って愛し続ければ、きっと変わってくれるはず」
どれも自然な思いですし、責められるものではありません。
ただ、その行動の動機が、
「最悪の未来だけは避けたい」という怖れから来ているとしたら、
気づかないうちに、心はずっと緊張したままになってしまうこともあるのでしょう。
今している行動そのものに問題があるのではなく、
その奥にある「不確定な期待」が、
しんどさを生みやすくしている、という見方もできそうです。
ここで起きているのは、 「気持ちが弱いから」ではなく、 自分自身の立っている位置が少しズレているという構造の問題なのかもしれません。
この「ズレ」という視点については、 こちらの記事でより詳しく触れています
最悪を避けようとするほど、期待がやめられなくなる理由
最悪を怖れる気持ちは、とても人間的です。
誰だって、うまくいかない未来は避けたい。
ただ、その怖れが強いほど、
人は「最善の理想的なストーリー」にしがみつきやすくなります。
・・・これは、僕自身の若い頃の話なのですが。
昔、パチンコをしていた頃、「今日はここまで」と予算を決めて行くんです。
でも、うまく出ない。
すると、心の中でこんな声が出てくる。
「ここまで投資したんだから、もう少しで出るかもしれない」
「ここでやめたら、今までが無駄になる気がする」
結果、気づいたら財布が空っぽ。
このとき僕は、「楽しむ」という本来の目的を忘れて、
“取り返せるかもしれない期待”にエネルギーを注ぎ続けていました。
期待がやめられなくなるのは、
そこに「ゼロではない可能性」が見えてしまうから、なのかもしれません。
期待してしまう人の心理にある「自分は足りない」という感覚
期待が強くなる背景には、
「今の自分では足りないのではないか」
そんな感覚が隠れていることもあります。
無価値感や罪悪感が強いと、
自分の力だけでは状況を変えられないように感じやすくなります。
すると、人は無意識に、
「何かが起きてくれたら」
「誰かが変わってくれたら」
という期待に、希望を託してしまう。
そう考えると、期待とは「弱さ」ではなく、
精一杯どうにかしようとした結果とも言えるのかもしれません。
「頑張ったら報われるはず」と思うほど苦しくなる理由
カウンセリングの中で、
「頑張っているのに、全然楽にならない」
「ここで休むと、もう報われなくなる気がする」
そんな声を聞くことがあります。
この状態にある方は、決して怠けているわけでも、甘えているわけでもありません。
むしろ、真面目で、責任感が強い人が多い印象です。
ただ、報われるかどうかを、自分以外の何かに預けすぎてしまうと、
頑張ることをやめる選択肢が、どんどん見えなくなってしまいます。
それは、「もう限界かもしれない自分」を受け止めるのが、
あまりに怖いから、なのかもしれませんね。
期待ではなく「自分の目的」を生きるという選択
ここで一つ、視点を変えてみます。
「期待が叶うかどうか」ではなく、
「自分は、何のために今これをしているのか」
という問いです。
仕事でも、恋愛でも、
「本当は、どんな状態を生きたいのか」
「それに向かって、今できることは何か」
そうした目的が少しずつ見えてくると、
期待に振り回される感覚は、自然と和らいでいくことがあります。
期待を無理に全て手放さなくてもいいのでしょう。
ただ、期待だけに人生を預けなくていい。
そんな選択肢も、あっていいのではないでしょうか。
もし一人で整理するのが難しければ、誰かと一緒に言葉にしてみるのも、一つの方法です。
今日の話が、自分の立ち位置を少し見直すきっかけになれば幸いです。
こちらの記事も読まれています
「ちゃんと頑張っているのに、なぜかうまくいかない」
そう感じやすい人ほど、 気づかないうちに自分の気持ちを後回しにしていることもあります。
このあたりは、こちらの記事でも少し整理しています。
期待をやめられないことも、 頑張りすぎてしまうことも、 それ自体が「間違い」なわけではありません。
ただ、 どこに立って、何を生きようとしているのか。
そこを一緒に確認する時間があると、 世界の見え方は少し変わるかもしれません。
必要なときは、こちらも参考にしてください。
このサイトでは、
「人は裁かない。でも、構造はごまかさない。」
というコンセプトで、“今の自分”や“今ある関係”を整えるための視点を週3回お届けしています。
もし今、一人で抱え込んでしまったことがあるなら、視点を置き直すヒントとしてお役立てください。
もう一人で抱え続けなくていい時間|個人セッション
そのときのあなたの状態に合わせて、対話を重ねていく”個人セッション”。
・考えが堂々巡りになっている
・どうすればいい関係になるのかが見えなくなった
・後悔のない形で自分の毎日を整理し直したい
誰にも知られることなく、今のお悩みを丁寧に扱うあなただけの時間です。
「東京/名古屋/オンライン対応」
今までのあなたに、新しい視点を足す”心理学講座”
一生懸命だっただけ、でも、どこか苦しくなってしまったときに。
心理学講座は、「こういう見方もあるのか」という発見を、ゆっくり増やしていく場所です。
オンライン受講できる講座もご用意しています。
”一人で考えすぎる日常”から離れるための無料メールマガジン
今はまだ、誰かに頼るほどじゃないけれど、一人で考え続けるのは少ししんどい。
そんなときの、日常のお供として。週3回(火・木・土)配信しています。
あなたのペースで、心理学を“使える気づき”に。

