夫婦のための心理学

最悪を怖れて最善を期待するより、目的を生きると幸せになるよという話

手放しのシンボル

そもそも期待にばかり投資する状態とは何なのか?

さて、今日はまず「期待とはなにか」からお伝えしていきたいと思います。

「期待」とは、『自分が望む「あること」が実現するだろうと望みをかけて待つこと』を意味します。

いわば「自分の外側にあるなにか(相手、人、運など)を何かを当てにして心待ちにすること」とも言えます。

もちろん「期待すること」自体を僕は否定的に見ているわけではありません。

人は何かに期待しますし、なにかを期待していないとやってらんねーという気分になることも十分にありえることだと思うのです。

だから、「期待することが悪だ」という考え方は行き過ぎだと僕は考えます。

むしろ、期待ばかりするにはそれなりに理由や事情がある、と思うのです。

ただ、実際に「いつも何かに期待ばかりして、そこにばかりエネルギーを投資していると、いろいろ切ない現実がやってきてしまう」でしょう。

例えば

「めっちゃ仕事がしんどいけど、人や上司の期待に応え続けていたら、いつか報われる」「きっとこの資格を取れば、私の人生は変わるんじゃないか」
「彼や彼女のことを頑張って愛したら、きっと相手も変わってくれるんじゃないか」

そんな思いを持つ人もいると思いますし、そのお気持ちは僕なりにですが「わかるわ〜」って思うのです。

ただ、その行動動機が

「最悪のストーリーだけは避けたい〜!と強く願うがゆえに、自分が作り出した最善のストーリーを強く期待してしまう」

となっているのであれば、ちょっと切ない状態が続くかもしれません。

例えば・・・

「しんどい仕事を続ける」ことで得られるものは、自分の実力、能力などの向上の方であってね。必ずしも「人の評価で報われる」とは限らないと思いませんか?

「資格を得る」ことは素晴らしいことですし、それによって社会的信用や学びによる知識などは増えると思います。ただ、「資格を取れば自分の人生が好転する」とは限らないと思いませんか?

「彼や彼女のことを頑張って愛すること」は素晴らしいことです。が、今の関係がぶっ壊れちゃうことだけは避けたいと思い、最善のストーリーを思い描いて期待し、しかし今が切ないとしたら、それもまた自己否定感を刺激する理由になることもあるのではないしょうか。

 

要はですね。

今、自分がとっている行動自体に問題はなく、問題はその動機に潜む、不確定な期待の要素こそしんどさを作るものだよ、とお伝えしたいのです。

そもそも「自分にとっての最悪のストーリーを否定するように、最善のストーリーに期待する」って状態自体、どこか救われるようでなかなか心が落ち着かない状態だと思うのですよ。

なので、僕が実際にこのようなお話をうかがう場合があるならば、

そのお気持ちは分かりつつ、可能な限り「最悪から最善を期待する」という状態は変えておいてもいいかもしれませんね、といったご提案やサポートをさせてもらうこともしばしばです。

そんなときこそ「エネルギーの投資先や、考え方や視点を変えてみましょう」とお伝えしたいのです。

それは何よりも大切な自分自身のために、です。

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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー
恋愛・夫婦関係・対人関係・性格・生きづらさなど様々なお悩みに心理学でお答え。活動歴16年し、9,000件を超える臨床実績。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。名古屋・東京・オンラインでカウンセリングを行う現場主義のカウンセラー。
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