恋愛の心理学

別れた彼への後悔ばかり考えて何も手につかないときの処方箋

別れた彼のことばかり考える時間の多くを補償行為に費やして燃え尽きる

また、私はベストを尽くしていなかったという罪悪感を、自分自身で引き受けられない状態になると、人は必ずといっていいほど「補償行為」と呼ばれる「埋め合わせに行為」を選ぶようにもなります。

いわば、罪悪感の穴埋めをするために、更に仕事に没頭したり、誰かの役に立とうと過剰に献身的になったり、中には「気持ちは全く盛り上がらないけれど、今の私を好きになってくれた人と付き合ってみる」という行動に出る人もいます。

もちろんそれが即間違いというわけではないのです。補償行為も一つの防衛だと考えれば、僕たちの心に備わった機能だと言えそうなのでね。

問題は別にあって、「自分がどれだけ素晴らしいことをしていても、それが補償行為ならば、その行動の結果や人からの評価・愛情をビタ一文受け取れない」という部分にあります。

これは超絶他人目線の話ですけれど、自分の行動が補償行為であっても「誰かにとっては感動できるような、素晴らしい行動」である場合も少なくないわけです。

例えば、献身的に仕事を行うことも、社会的な責任をきっちり果たすことも、何ら間違ってはいませんし、そんな自分を他者は評価し称賛してくれるかもしれません。

が、「絶賛・補償行為中」であると、そんな他者の評価や称賛が全く自分の中で機能せず、むしろ虚しさとして作用することが増えてしまうんですよ。

なぜならば、補償行為=埋め合わせの行動だから。

今回の場合は「私は別れた彼に対してベストを尽くせていなかった」という罪悪感が色濃く存在する以上、自分がどれだけ素晴らしいことをしても喜べるどころか、それで普通、いや、それ以上やって普通、むしろ何ができていても意味がない、ぐらい感じてしまうことだってあるわけです。

つまり、自分の中で「私は別れた彼に対してベストを尽くせていなかった」という感覚が消化できない状態が続く分だけ、自分を責め、何をしてもちっとも受け取れないという状態が続いてしまうのです。

言い換えれば、それだけ「人をきちんと愛したいと思っているのは自分」ってことなんです。

が、僕からクライエント様にそうお伝えすると「浅野さん、カウンセラーさんだからそう言うんですよね(そう言われるのは嫌じゃないけど、でも心は動きませんよ)」という声なき声を何度も伺うことになるのです。

それは僕の思いを受け取れないということを示しているのではなく、この状態こそがそのクライエントさまの日常で起きていることそのものだ、と僕は認識するのです。

これ、めっちゃ切ない状況なんですよ。

起きているのは恋愛の問題なのですが、その影響は日常全般に波及する可能性があるのでね。

 

※以前に書いたら何故か好評でした↓の記事も合わせてご覧くださいませ。

愛情と執着の違いについて愛情と執着の違いについて今日はまとめています。そもそも執着とは「自分のためになにかにしがみついている状態」で、相手を愛している状態とは全く異なるものなのですよ。...

1 2 3 4 5 6 7
カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内