恋愛の心理学

別れた彼への後悔ばかり考えて何も手につかないときの処方箋

第一の処方箋は自己攻撃に気づいて止めること

さて、このようなご相談をいただくと、「もういい加減に次の恋愛に向いたい」とおっしゃる方から、「できればもう一度復縁を」とおっしゃる方まで様々です。

実際のカウンセリングではそのお気持ちを大切にしながら進めていくわけですが、ぶっちゃけた話、やることはそんなに変わりません(^^;

その「第1の処方箋」(はじめの一歩)は、まずは「自己攻撃に気づき、かつ、いかに止めるか?」になります。

かつ、この段階がなんともお時間が必要になるプロセスでもあります。ここを超えると次のプロセスからどんどん時間短縮を図ることができるようになるんですけどね。

ただ、そう理解しても、どうして自己攻撃を止める必要があるのか、その理由がいまいちピンとこられない方もいるかも知れませんし、実際になかなか自己攻撃を止められない、とおっしゃる方も少なくないのかな?と思っています。

なので、ここで一度「この状況での心のあり方」について少し解説しておきたいと思います。

別れた彼のことばかり考えて自己攻撃することは「防衛」として作用している

ちょっとドライな言い方になるかもしれませんが、別れた彼のことばかり考えて自己攻撃することは防衛として作用しています。

いわゆる「なぜあのとき」「なぜ別れることになったの」という悲しみや、自分がベストを尽くせていなかったという罪悪感を感じないように、すなわち「これ以上傷つけない自分がいる」のですが、その悲しみや罪悪感を受け容れるぐらいなら、自分を罰していたほうがいい、と感じるからこそ、起きることなんです。

まるで毒をもって毒を制す、といった様相ですし、少し想像するだけでも「痛そう・辛そう」なんですけど、しかし、自分自身が大切な人を愛しきれなかったという感覚を受け容れるぐらいなら、まだ自分を責めていたほうがマシだと感じる人もいるのです。

だから、ここでの自己攻撃を何も考えず無理やり外すと、ただただ痛みや後悔、悲しみが溢れてきて、自分が自分でいられなくなってしまうような状態になることも少なくないんです。

実際に「自分を責めないほうがいいと理解しているんですけど」というお声を伺いますけど、僕は「責めてしまうのはしゃーないことですよん」とお伝えすることが多いんです。

そして、今だけは一人ぼっちは避けましょう、ともお伝えするんです。一人ぼっちになるとまたもとに戻っちゃうしね。

何度も責めてしまうと辛いけど、でもそれ以上の辛さがまだ存在するわけだから、ここは丁寧に癒しを進めていきたいところだというわけです。

自己攻撃が生む補償行為は更に複雑です

さて、どんな人も、人の好意や優しさに触れたいとは思うものです。これは本質的な欲求なので止めることはかなり難しいものです。

しかし、自己攻撃が続いている状況では、人の優しさや愛に触れることで、自分の抱えている罪悪感や悲しみに触れることにもなりかねないんですね。

つまり、心が傷ついている(深い悲しみを抱えている)とき、僕たちは人の愛や好意、優しさを求めながらも、しかし自ら遠ざかりたくなるんです。

かといって、自分が何もしていないと彼と別れた悲しみや、何故あのとき、といった後悔や罪悪感に飲まれそうになるので、それを切るためにさらなる補償行為(例えば仕事に夢中になる)が必要になるという、ちょいと複雑な心の構造が登場します。

かつ、この補償行為すら気づかれたくない場合、人は「非常に愛しにくい態度」を取ります。いわゆる「悪い子ちゃん」な態度、「人に対して冷たい態度」をとる自分になり、人を遠ざけ、自ら分離しようとします。

そんな「愛しにくい態度を取りたい」という気持ちも「隠さなきゃ」と思えば、更に輪をかけて補償行為に勤しむことにもなります。

ここで登場するのが「いい人」「いい子ちゃん」「お世話する人」といった自分なんです。

こうなると、もはや「どれが本当の自分」か分からなくなりますよねぇ。

しかしその状態であっても、罪悪感や悲しみは一切消えていないわけですから、いつまでたっても「別れた彼のことばかり考えてしまう」という状況は続くというわけです。

だから、まずこの第一の処方箋についてじっくりと時間をかけながら取り組むだけでも、随分と気持ちが変わってきますよ。

自分を責めてしまってもしゃーないので、しかし自分の素直な気持ちを整理ながら、自分と向き合っていくプロセスです。

ここでは、自分が感じる感情に嘘をつかず、むしろ思っている気持ちに素直になって表現する(紙に書く・信頼できる人に話を聞いてもらう)といった方法が有効ですね。

あと、ちゃんと人に見てもらうことも大切かな。自分で思っているだけではなくて、誰かに同じ気持ちを感じてもらう。いわば共感の作用ですが、この作用によって一人で抱えている感情はかなり軽くなっていくものですからね。

そもそも愛せなかったと感じている自分をそのまま肯定することは難しいものでしょうからね。

ここでは「彼のために何もできなかったというい罪悪感」とぶち当たることになるのですから、正直無理は禁物だよね、と僕は思うわけですよ。

 

でもね、本当は「彼のために何もしていない罪悪感」こそ誤解なんですよ、きっと。

もし自分が彼のためにできることや、彼の気持ちをもっと分かっていたら、あんなふうな振る舞いはしなかったはずなのです。

それぐらいの「愛がある」から自分が許せないし、何もしていない罪悪感に苛まれているはず。

だから「もう一回彼を愛したい」と思っても、本当は既に愛する自信を失ってしまっている可能性だってあるわけだから、ここは本当に焦らず、本当の自分を取り戻していきたいところですよね。

1 2 3 4 5 6 7
カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内