愛される努力は必要?|努力しないと愛されないと感じる心のしくみ
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「愛されるには努力が必要だと思うんです」
そうお話しくださる方がいらっしゃいますよ。
自分を磨く。
役に立つ。
ちゃんとする。
迷惑をかけない。
そういったことを重ねながら、
「今よりも愛される自分になろう」とされるわけですね。
その姿勢は、とても誠実だと思います。
ただ、同時にこんなお声も出てきます。
「ときどき、虚しくなるんです」
「本当に愛されているのか、分からなくなるんです」
なぜ、そんな気持ちが生まれるのでしょうか。
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愛される努力は、報酬が保証されていない?
少し冷静に考えてみると、「愛される努力」というのは、少し特殊な努力です。
なぜなら、結果が保証されていないからです。
たとえば、資格試験であれば、合格基準があります。
仕事であれば、成果や評価の基準があります。
けれど「愛される努力」には、明確な合格ラインがあるようで、ないんです。
どれだけ頑張れば十分なのか。
どこまでやれば安心できるのか。
それが分からないまま、毎日努力を続けている状態。
これは例えるなら、「合格するか分からない試験を、毎日全力で受け続けている」ようなものかもしれません。
だとしたら、疲れないわけがないと思いませんか?
なぜ、その努力が続くのか
では、なぜそこまでして努力してしまうのでしょうか。
多くの場合、そこにはひとつの前提があります。
「愛されるには努力が必要だ」
この前提は、どこかで学習されたものかもしれません。
- ちゃんとしないと評価されなかった
- 役に立たないと大事にされなかった
- 空気を読まないと居場所がなくなった
そういった体験があると、
「ただここにいるだけでは足りない」
という感覚が自然に育ちます。
だから努力する。
愛されるために頑張る。
努力すること、頑張ること自体は間違いではありませんよ。
そんなことは誰も言えないと思いますし。
ただ、その人なりの、生き延びるための反応だったとも言えますし。
それは性格ではなく、“心の反応”
ここで大切なことは、
「愛されるために努力してしまう自分はダメだ」
と評価することではないんです。
「ああ、私は“努力しないと愛されない”という反応をしていたのかもしれない」
と気づくことです。
これは過去の経験から生まれた心の反応と見ることができます。
努力をやめたら、何かを失う気がする。
愛も、評価も、居場所も。
だからやめられない。
その自分の反応を知ることが、まず一歩なのだと思います。
努力をやめろ、という話ではありません
ここで誤解しないでいただきたいのは、
「努力をやめましょう」「好き勝手生きましょう」という単純な話ではない、ということです。
努力そのものには価値があります。
自分を磨こうとする姿勢は、とても尊いものです。
ただ、
怖れからの努力なのか、
選択としての努力なのか。
そこは少し整理してみてもいいのかもしれません。
「やらないと失うからやる」
のか、
「やりたいからやる」
のか。
同じ行動でも、心の立ち位置はまったく違います。
ただ、そんな風に整理しても、虚しくなったり、辛くなることもあるかもしれません。
そうなってくると、今度はとても人間らしい「感情」の整理に着目してもいいかもしれませんよ。
人間は反応だけで生きている、とは限りません。
恐れが生じることでの反応だけじゃなく、思い、気持ちで動いている部分もあります。
逆に言えば、気持ちだけで動いているわけでもなさそうなんですが。
そこにある「喜怒哀楽」さまざまな気持ちを、人に話す、伝える、自分の外に出す、客観的に見つめる・・・いろんな方法で整えること。
そこも合わせて実践してみると、整ってくる感じがわかるかもしれません。
最後に|“努力しないと愛されない”から解き放たれる第一歩
もし、愛される努力が苦しくなっているとしたら。
まずは自分を責めるのではなく、
その努力の背景にある心の反応に気づいてみること。
「私は、そういう反応をしていたのかもしれない」
その視点を持つだけでも、少し呼吸がしやすくなることがあります。
愛される努力が悪いわけじゃないんですよ、決して。
でも、あなたの心がずっと緊張し続けているとしたら、
その仕組みや反応一度整えてみる価値はあるかもしれません。
ちなみに、その“反応”を安全に見つめていくことが、
心理学を土台にした個人セッション(カウンセリング)の一つの役割だったりします。
一人で頑張り続けなくてもいい地点が、もしかすると、どこかにあるのかもしれませんね。
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