こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。

頑張っても、何も変わらない。

そう感じる時期が、関係修復の途中にはやってきます。

たとえば、こんなケース。

夫の浮気が発覚して、私は許そうと決めました。今の関係を諦めたくなかったから。

でも、それから夫の態度は頑なになってしまって。挨拶をしても無視される。一緒にいるのに、ひとりぼっちな感じがする。

今まで以上に一緒にいて辛い毎日が続いていて、頑張ろうと思うけど、どうしても心が折れそうになってしまって苦しいです。もう別れてしまったほうが楽になるかも、と思うことが多いです。

頑張ろうとは思うけど、心が折れそうです。もう別れたほうが楽なのかな、と思い始めています。

自分の非は謝った。
向き合おうとした。
許そうともした。
歩み寄ろうとした。

それでも、相手は変わらない。状況も変わらない。

「もう諦めたほうが楽なのかな」と思い始める。

そんなご相談、カウンセリングの現場でよく受けます。

これ、頑張りが足りないわけじゃないんですよ。関係修復への気持ちが薄いわけでもない。

ただ、この「何も変わらない」という停滞期には、ちゃんと事情があって。

今日はその事情を一緒に見ていきたいと思います。


恋愛・夫婦関係における「停滞期」とは

停滞期、という言葉、なんとなく使っているけど、改めて整理するとこういう状態です。

関係をよくしようと頑張っているのに、何も変わらない。

むしろ、以前より距離が開いているような気さえする。そんな時期のことを、停滞期と呼んでいます。

特徴的なのは、どちらかが諦めているわけじゃない、ということ。

むしろ、どちらも関係のことを真剣に考えているのに、うまくかみ合わない。歩み寄ろうとしても空回りする。

そういう、なんとも出口の見えない時期です。

停滞期は、恋愛関係だけでなく夫婦関係でも起きます。けんかがあったとき、すれ違いが続いているとき、どちらかが大きな失敗をしたとき。関係を立て直そうとする過程で、ほぼ必ずといっていいほどやってきます。

うーん、なかなか手強い時期なんですよね。


停滞期に、お互いの中で起きていること

関係修復の停滞期って、外から見ると「二人が向き合えていない」状態に見えます。

でも実際は、もう少し複雑なことが起きています。

一言で言うと、お互いの心が傷ついたまま、その傷を抱えて動けなくなっているんですよね。

言い方を変えれば、わだかまりが解消できていない、という状態に近いですよ。

これ、どちらか一方だけの話じゃないんです。

たとえば、傷つけてしまった側。

「自分がしてしまったことへの罪悪感」を抱えています。だから、相手と向き合うのが怖い。愛情を受け取る資格が自分にあるとも思えない。そのしんどさが、冷たい態度や無関心という形で出てくることがある。

一方、傷ついた側。

「これだけ歩み寄っているのに、なぜ伝わらないんだろう」という虚しさを抱えています。相手の冷たい態度を見るたびに、また傷つく。

お互いに傷ついたまま、傷をかばいながら動いている。

だから、どれだけ頑張っても「何も変わらない」ように感じる。

お互いの傷が、何も変わっていないように見せている。

これが停滞期の正体だったりするんですよね。


「傷ついたまま」でいると、何が起きるか

傷ついたままの状態で関係修復を続けようとすると、ある特徴的なことが起きます。

「愛し合う態度」「関係を前の進める態度」じゃなくて、「これ以上傷つかないための態度」を取り始めるんですよね。

たとえばこういう形で出てきます。

相手の反応を先読みして、傷つきそうな場面を避ける。
歩み寄ろうとして拒絶されるのが怖くて、動けなくなる。
あるいは、感情をぶつけることで、相手に自分の痛みを分かってもらおうとする。

そして、その状態を避けるような理性ばかりが優先されて、気持ちが置き去りになって苦しくなったり、今の関係に対する情熱が持てなくなっていく。

どこかで「今の関係の価値」を知りながら、上手く扱えないように感じ始めます。

どれも悪意がある行動じゃないんです。

心が傷ついていると、そうなっていく。

でも、こういった態度が積み重なると、お互いの距離がどんどん開いていく。

向き合いたいのに、向き合えない。

これが、停滞期をさらに長引かせる要因になっていくんですよね。


停滞期が長引く、もうひとつの理由

もう少し踏み込んだ話をすると、停滞期が長引くときには、もうひとつの事情があることが多いんです。

それは、お互いが傷ついたままでいることで、何かを伝えようとしている、という状態です。

傷ついた側は、「私がこんなに苦しんでいることを、分かってほしい」。
傷つけた側は、「自分がどれだけ後悔しているかを、示したい」。

でも、その伝え方が「傷ついたままでいること」になってしまっている。

言葉で伝えるのが難しいから、状態で伝えようとしている、というか。

うーん、切ないんですよね、これ。

お互いに、相手に分かってほしい気持ちがある。

でも、その気持ちを伝えようとすると、相手を苦しめることにもなる。

そりゃそうですよね。

相手があなたを愛しているなら、「私はあなたと一緒にいても傷ついているんだ」と伝え続ければ、相手は苦しみます。

罪悪感に苛まれます。

あなたのことを思う気持ちがあればあるほど、です。

本当はいい関係を築きたいのに、伝えられないまますれ違っていく。

この状態を続けていると、関係修復どころか、お互いがじわじわと疲弊していくことになりかねないというか。

難しい話ですけどね。


停滞期を抜け出すための視点

では、どうすればいいのか。

「もっと頑張れ」ということじゃないんです。

すでに十分頑張っている人が多いので。

ただ、ひとつだけ、視点を変えてみてほしいことがあるかな、と。

「相手を変えること」より先に、「自分の傷を整えること」を優先する。

これだけです。

ここでの心の傷とは、強いストレスを抱えた状態とも言えるし、何らかの感情が整わず滞っている状態とも言える。

感じることが辛いと思う何かがある場合もある。

悲しみ、苦しみ、怒り、罪悪感、孤独感、無力感・・・。

そういったものを抱え続けることで、関われなくなっている。

相手が変わらないうちは何も変わらない、という気持ち、よく分かります。

でも実は、先に自分の傷が解放されると、相手への関わり方が自然に変わっていくことが多いんですよ。

自分が少し楽になると、相手の冷たい態度を見ても「そういう日もある」と受け取れるようになる。余裕が出てくると、相手が動きやすい雰囲気を作れるようになる。

停滞期を抜け出すきっかけって、大きな変化からやってくることよりも、こういう小さな変化から始まることの方が多いんですよね。

具体的には、気持ちが少し楽になることを自分に与えること。一人の時間でも、誰かと話す時間でも。

「二人のためにもっとしなきゃ」より先に、「今の自分を少し整える」を選んでみてほしいんです。


「何も変わらない」は、本当に何も変わっていないのか

ひとつだけ、お伝えしたいことがあります。

「何も変わらない」と感じていても、実際には変化が起きていることがあるんですよ。

カウンセリングでお話を聞いていると、「何も変わっていない」とおっしゃる方の状況を見ると、「あ、これ、ちゃんと動いていますよ」と感じることが結構あります。

変化って、表面に出てくるまでに時間がかかることがある。

じわじわと、見えないところで積み重なっていく。

だから、「頑張っても何も変わらない」と感じる時期こそ、実は一番踏ん張りどころだったりするんですよね。

……とはいえ、それが分かっていても辛いものは辛いんですよね。

「分かってるけど、しんどい」という気持ち、そこは否定しなくていいんです。

辛いと思うのは自分が弱いからだ、とか、わけのわからない理由で自分を責めなくていいと僕は思っています。

むしろ、今まで苦しくても逃げずに関係修復に向き合ってきた自分を、認めてあげてほしいなと思いますよ。


最後に

関係修復の停滞期って、頑張りが足りないから来るんじゃないんです。

むしろ、真剣に向き合っているからこそ、傷つき続けてしまう。

そのことは、ちゃんと受け取ってほしいな、と思います。

ただ、傷ついたままで走り続けると、いつか本当に動けなくなってしまう。

だから、相手を変えることより先に、自分の傷を少し整えることを選んでみてほしい。

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こちらの記事も参考にどうぞ

「もうあの人のことは愛せない。」 「信じていたのに、裏切られて辛い。」

この17年、そういった方のお話を沢山うかがわせていただいてきましたよ。

どんなに辛い状況になっても、多くの人の心の根っこにはまだ愛や優しさがある。

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離婚の危機、別居、浮気が発覚した。

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