恋愛の心理学

「自分よりもいい人がいるのではないか」と悩む男性。その心理を解説する

「自分よりもいい人がいるのではないか?」という苦悩

例えば男性のお客様から次のようなお話をお伺いすることがあります。
(お互いにシングル同士という前提です。)

今、付き合っている人がいて、彼女のこと(愛してくれることへの感謝や彼女の年齢、状況など)を考えると、一緒になるほうがいい(暗に結婚を意味しています)と思っている。

しかし、自分は過去に一度離婚していて(長く付き合って別れた女性がいる、という場合もあり)なかなか素直に一緒になろうとはいえない気分。

こんなふうに考えてしまうぐらいなら、彼女には申し訳ないし、別れたいわけではないけれど、自分よりもいい人がいるのではないか?

そういった方向に彼女を向けて幸せを願ったほうがいいのではないか?と思うこともあって悩んでいる。

彼女は「一緒にいたい」と言ってくれているけれど、どこか自分の決断を待ってくれているような気がする。

そう感じると辛いとも思う。

一体自分はどうすればいいのか?と悩んでしまう。

「自分よりもいい人がいるのではないか」と悩む男性の心理とは

さて、「自分よりもいい人がいるのではないか」と悩む男性にまつわる恋愛相談はとても多いのです。

それぐらい「自分よりもいい人がいるのでは?」と考えることが、相手の幸せを願うことだと考えている人は少なくない、ということなのかもしれません。

ただ、「自分よりもいい人がいるのではないか」と考えてしまうのは、「自分はきっと失敗する」という推測があるから、という場合が多いのです。

今回の例で言えば「一度離婚していることから、もう失敗したくないし、彼女を巻き込むのもどうかと思う」とお考えなのかもしれません。

その心理的背景には「自分は失敗する」「彼女を不幸にする存在」という罪悪感が見え隠れするわけですね。

いわば、自分は毒だ、相手に迷惑をかける存在だ、という自己概念の影響が見えてくるわけです。

ハートブレイクが癒やされていないと「自分よりもいい人がいるのではないか」と考えがちになる

どこか過去のハートブレイクを抱えつづけて生きている男性の場合、今回取り上げているような「自分じゃないほうがいい」という考え方が強まります。

失恋、離婚などのパートナーシップでのハートブレイク(傷心)。

また、過去の挫折体験、親子関係の中での葛藤、「愛されている感の欠如」なども同じように作用することがありますね。

おそらくこういった男性って、意識としては「責任感」によって、彼女を幸せにしたいと思っている場合が多いのです。

だから、こういった悩みを抱えている男性は「相手のことを考えている部分がある」と言えますし、ここに悩む意味、「自分じゃないほうがいいと考えることの価値」があるといえるんです。

(よって女性側から「あなたは私のことを何も考えていない」と詰め寄ると、あまりいい状況にはならないでしょうね。)

が、その内面では「もう誰も傷つけたくない」「自分も人を愛せないという苦しみを感じたくない」と感じているのです。

また、「また誰かを幸せにしようとして、失敗したらどうしよう。そんな不安に彼女を付き合わせるにはいかない」と思う人もいるかもしれない。

ここは男性が自分自身に意識を向けている部分です。

言い換えるなら、自意識を強めている状態でもあり、だからこそ「失敗への恐れ」が強まっていくのですよね。

「自分よりもいい人がいるのではないか」と考えることが彼女のためになるとガチで感じる理由

ただ、更にその深層心理を探っていくと、次のような自意識を強めざるを得ないような心理的背景が見えてくることもありますね。

例えば

「過去、自分なりに一生懸命女性を愛したけれどうまく行かなかった、痛手を負ったが、何故そんな結果になったのか?正直、今でも腑に落ちていない。」

「過去の女性がどうして自分に対して怒りをぶつけたり、涙を流したり、もう愛せないと言い放ったのかが分からない。」

要は、「なぜそれが(過去の恋愛など)うまく行かなかったのか」がまた総括できていない感じ、という方も少なくないのです。

そんな時ほど、僕たちは「なぜそれが起きたのか、に対して、何かしらの意味付けをしたくなる」のですよね。

自分に起きた大きな出来事、その理由を分からないままにしておく事はなかなか難しいものです。

また、例えば

「辛い過去の別れ・離婚という現実が何故起きたのか?」という疑問を抱えたとして

その疑問に対応する答えは「自分が素晴らしいから」ではないわけですよね。

どこか「自分は愛せない・愛にふさわしくない」という感覚になるはずです。

よって、「自分を責める」「自分が悪かったのだ」という答えを出す。

少なからず、なぜ自分がハートブレイクを経験したのか、の理由がわからないままよりは、その答えが正しかろうが、間違っていようが、何かしらの答えがある方がココロのバランスが取れるものなんですよね。

ま、人によっては「昔の彼女が最悪だった」とか「私がこんなふうになったのは親のせいだ」といった、恨みを理由にしてしまうこともあるのでしょうが。

このような形で自分の中で区切りをつけている人も少なくないのかな、と思いますよ。

よって、「彼女のことを考えたら、自分じゃないほうがいいんだろうな」と考えやすくなるわけです。

逆に言えば、彼が何も失敗せず、誰も傷つけない事を考えた時、「自分は今の彼女を幸せにできないのではないか?」と思うことが正解だ、と考えているともいえます。

ま、「じゃ、なんで彼女と付き合ったんだよ」というツッコミが残るかもしれないんですが、その話はまた後々。

「自分よりもいい人がいるのではないか」から卒業する方法

では、どうしたら「自分よりもいい人がいるのではないか」と考えてしまうパターンや、その悩みから卒業できるのでしょうか。

答えは一つ。

「自分が本当に表現したいことに気づいて、そのとおりに行動する」

「今の自分を罰する選択を手放して、何が自分のほんとうの幸せにつながるかを知ること」

 

実際、「自分よりも他にいい人がいるのでは」と伝えることで、「この人とは一緒にいれないな」と伝えている人もいるでしょう。

いわば、「自分よりも他にいい人がいる」は断りの文句だという考え方ですね。

ただ、その考え方自体も「罪悪感を選んでいること」だと気づけるでしょうか。

もし、相手のことを思って断るなら、自分じゃ無理だとはっきり伝えることも選択の一つですよね。(相手の様子にもよりますけども)

しかし「自分より他にいい人がいるのでは?」と考えてしまうなら、それは「自分を落としている」わけで、罪悪感を選んでいることに近いわけです。

 

また、本気で「相手を幸せにできないかも」と不安になっている場合、どこか失敗することを恐れてしまうこともあるでしょうが、それ自体は悪いことでもなんでもありません。

怖いものは怖い、躊躇するものは躊躇する、でいいのです。

それが「今の自分なんだな」と受け止めていけばいいのです。

ここでの問題は悪意なき悪い態度(心理学では逃避や回避という言葉になるかな)
」なのです。

悪い態度とは「人の愛をドブに捨てるような行為」のこと。

今回の場合で言えば、彼女の気持ち、彼女の愛情、彼女の力を一切信頼せず、受け取ることもなく、その価値を知ることもなく、自己完結的に「自分じゃないほうがいい」と考えてしまうことにあります。

そうすることで、更に自分が「また彼女を傷つけた」「人を信頼できなかった」と思うことになり、罪悪感を強化してしまうという罠に気づきましょう。

また、「自分は相手に愛される価値が無いかも。自分ではダメなのだろう。」という気持ちは、「できることなら彼女のことを幸せにしたい」という気持ちから生じているのだということを理解しましょう。

そうでなければ悩むわけないのですから。

「え、でも俺はそこまでの覚悟をせず彼女と付き合ったんですよ。彼女のことを幸せにするなんて決意を持っていなかった自分が悪いんです。」

そんなお声を伺うこともありますけどね。

それこそが罪悪感の影響なんですよね。

罪悪感が影響しているから「俺が幸せにするって覚悟を持ったところで意味がない」と感じるのですよ。

僕がココで伝えたいのは「覚悟すること」でもありますけど、「覚悟したって意味がない」「自分じゃないほうがいい」と思うこと自体が、自分の価値を地に落とすような行為だということなのです。

だから、自分のためにも、自分を愛する人のためにも「罪悪感を選択しない」ということが求められているのです。

彼に「自分よりもいい人がいるのではないか」と言われたら

最後に、もし女性の皆さんが「自分じゃないほうがいいかも」と彼から言われたら、という話をまとめて、今日のコラムは終わりにします。

そんなときはあなた自身も「自分よりもいい人がいるのではないか」「私より他の女性の方が優れているかも」と感じていないかチェックしてみてください。

そもそも愛する人に「自分よりもいい人がいるのではないか」と伝える人がいるなら

それは「今の自分ではあなたのことを上手に愛せない」と感じている可能性が高いのです。

つまり、あなたが相手を無意識的に拒絶していたり、相手の愛情を疑いやすかったり、愛されることへの信頼が持てずにいる、なんて状態になっていないかチェックしてみてください。

このようなケースではお互いに「私は愛されるにふさわしい」という感覚が必要になります。

だから、「あなた、私と一緒にいたほうがいいわよ」と言える自分になれるわけですからね。

「お互い、一緒にいたほうが幸せになれるよね」

そう思える二人には、とんでもないロマンスというご褒美がやってきます。

このご褒美を受け取れなくなってしまうのは「私は愛されるにふさわしくない」という罪悪感でしかないのです。

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