心理カウンセラー浅野寿和です。
いつもありがとうございます。
さてはて今日は「自立の罠」についてのコラム。
長い間一緒にいるパートナーに魅力を感じなくなってしまった。
もちろんパートナーを嫌いになったわけでもない。そんなつもりは全く無いけれど、ココロが動かないし、ときめきを感じなくなってしまった。
これはきっと好きではないということ。
ならば、もう別れたほうがいいのかもしれない、上手に愛せないならお互いのためにそうするべきか、と感じるようになった。
僕自身、離婚や別れ自体を必要以上にネガティヴに見ているわけではないんです。時にはお互いの幸せ、ステップアップのために別れたほうがいい場合もありますしね。
ただ、つい「パートナーに魅力を感じられなくなる」という部分で終わりを見つめているなら、まだできることはあるのかもしれませんよ?とお伝えすることも無きにしもあらず。
今日はそんな心理についての解説してみます。
よろしければどうぞ。
目次
パートナーに魅力を感じなくなる心理
自立して生きることは必要なこと
「パートナーに魅力を感じられなくなった」
これは確かにパートナーシップの深刻な問題を作る理由になりますし、カウンセリングでもたくさんご相談いただく案件でもあります。
パートナーに魅力を感じられないとき。
実はすでに「パートナーに幻滅した」というケースも・・・ぶっちゃけありますね。
パートナーがその性の魅力を磨かなくなり、自分自身の価値を貶めるようなことをはじめたのであれば、いくら支えても支えきれず、愛そうと思っても難しくなることだってあるでしょう。
ただ、いつも「パートナーの問題」ばかりが原因を作っているとはは限らないものです。
実は「自分自身がパートナーに魅力を感じられない心理状態になっている」ときも同じようなことが起こります。
「自分自身が自立を強めすぎてココロが燃え尽きている」場合も同じようなことが起こるんですよ。
今日はこの心理についての話を続けていきます。
*
僕達は大人ですから、何かに対して自立的な姿勢で生きているものですね。
仕事、家事、育児、対人関係・・・いろいろなものに対して「自立」、つまり「一人で頑張る」という姿勢を持っていることが多いものです。
それは大人である以上「必要なこと」です。
が、あまりに自立しすぎることも問題になります。何でも度が過ぎると問題とよばれるものを作るわけですね。
私達の学ぶ心理学では「自立的に生きる」と「デッドゾーン」に行き着く、なんて話があるわけです。
デッドゾーンの領域では「魅力や価値を感じられなくなる」
僕の学ぶ心理学でいう「デッドゾーン」とは、いわゆる「燃え尽き」「行き詰まり」の領域のこと。
心理的にデッドゾーンに入っていると、物事の価値や魅力を感じられず、心はまるで麻痺しているような状態になり、何事も無気力になりやすいわけです。
これを「ココロが燃え尽きた状態」と呼ぶことが多いのですが、僕たちが何かしら「物事に行き詰まり」を感じているときほど、この状態であることが多いですね。
それは「飽き」とは少し違う、無意味感を感じるような状態です。
仕事なら、仕事に意味を感じない。やる意味を見いだせない。歓びがまったくない。
恋愛なら、パートナーにこれっぽっちも魅力を感じない。だから積極的に関わりたくもなければ、アタッチメントしたいと思わない。
このようになってしまうのは
「自立すればするほど、今自分が手にしているものに価値を感じられなくなる」
これが理由なんです。
しかし、多くの場合「魅力・価値を感じられないのは自分の心理状態によるものだ」とは気づかないものですね。
むしろ、「もう今の仕事を辞めてしまう(パートナーと別れてしまう)ほうがいいのではないか」と感じるわけです。
だから人によっては「パートナーに要求」するかもしれません。
自分の思うようにしてくれれば、もう一度愛せるかもしれないから、パートナーに「アレコレ要求して答えてもらおう」とする。
しかしいくらパートナーに要求して答えてもらっても、自立の罠にハマったままならば、また同じことが起こるだけです。
人によっては「浮気・三角関係」の状態に陥ることもあるでしょう。
仕事なら、別の仕事に興味が出てきてそちらに意識が向くようなイメージ。
恋愛なら、別の異性に魅力を感じて関係を持ってしまうこともあるでしょう。
今あるものに価値を見いだせないから、つい他の新しいものの刺激を求めるわけです。
しかしいくら新しいものを見つけても、自立の罠にハマったままならば、その新鮮さがなくなってしまった途端、別のものが欲しくなるだけなのです。
それもこれも「自分自身の心理状態に気づけていない」ことが理由になっているんです。
それゆえ「今あるものに価値や魅力を感じられない」という心理パターンを長い間持ち続けている人もいます。
恋愛初期はとても魅力を感じていたパートナーも、しばらくすると飽きが来たように感じる。
それを繰り返すから恋愛に意味を見いだせなかったり、長く共にいる関係をつい壊してしまったり、自分から望まないようになったりするわけです。
怖いのは、一度「デッドゾーン」に入ると、たとえ仕事や恋愛を新たにしても、今までよりも早く「魅力を感じない状態」にたどり着いてしまうこと。
10年続いた結婚生活の後で感じる燃え尽き感は、確実に10年以内にやってきます。
5年続いた仕事とそこで感じる燃え尽き感は、確実に5年以内にやってきます。
自分自身の中に「物事に意味を見いだせない感覚」が変化していないと、それはものすごい速度感を伴ってやってくるわけです。
「パートナーに魅力を感じられない状態」から抜け出すには
これは自立しすぎているから起こることですから、「受け取ること」が鍵になります。
そもそも「ココロが燃え尽きているから」魅力を感じないのであれば、そのココロを回復させる必要があり、自立を手放すことが求められるんです。
「今あるものの価値を見ること」なんです。
これを「今と向き合う」なんて言葉を使って表現することがあります。
ただ、この「向き合う」という言葉。
長い間自立的に生きてきた人にとってはちょっとした苦痛を感じやすい言葉かもしれません。
多くの人が
「今までも努力し頑張ってきたのに、まだ向き合うってことですか?」
そう解釈するからです。
一度、無意味感を感じた仕事、パートナーシップに向き合うことはそう容易なことではないんです。
どこまでも「自立」であり「頑張る発想」を持ち続けているわけですね。
それこそ自立し続けることを常に考え続けてきた証。
ただ、今からは少し発想の転換が必要なのです。
*
このようなときは
「何故、自分はこんなにも自立を強めて生きているのだろう?」
*
しかし自立の世界にいると「自分の周りのは誰もいない」ことにしておきたくなるのです。
それこそエゴの罠ですが、特に罪悪感や劣等感が強い人ほど、そう思いたくなるもの。
一人で生き、逆境に打ち勝つことに意味を感じたいのです。
が、その生き方こそ「誰にも魅力を感じる必要のない生き方」とも言えるのです。むしろ、自分の努力、成功を脅かすような「他の魅力的な人の存在」は支えどころか脅威になるはずです。
そんな状態になったなら
こういった自分自身の中にある隠れた分離感、競争心、劣等感などに気づいていくこと。
その事情を責めずに理解することです。
そんな自分のままであっても「自分を傍で支え、寄り添ってくれる人がいる」ことに気づけたとき。
「自分は一人ではなかった、とても素晴らしい人に囲まれて生きているのだ」
と気づけるでしょう。
このときに分かるのです。
「長くそばにいるパートナーがどれだけ素晴らしい存在か」が。
それは一般的な意味での魅力という言葉では表現できないような、「かけがえのない価値」をパートナーに感じる瞬間でもあります。
頑張って愛する努力など全く必要なく、愛したくなり、側にいたくなるような感覚がやってくるのです。
それとても幸せで、歓びに溢れた感覚といっていいでしょうね。
もしあなたがパートナーに魅力を感じなくなったなら
一度「自分は自立しすぎていないか」をチェックしてみてくださいね。
なにか参考になりましたら幸いです。
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